暮らしの手帖

フルマークハウスからの新たなお知らせや、日々の暮しにまつわる情報を綴っていきます。
これからの暮らし方のヒントや、すまいづくりに役立つ情報をお届けします。

中古住宅の購入とリノベーション | メリット・デメリット

投稿日 : 2021年07月24日 (土)
カテゴリー : 暮らしの情報

住宅の取得を考えた時に選択肢として、

・戸建て新築
・マンション購入
・中古住宅、中古マンション購入

こういったことが挙げられると思います。ご家庭によって家族構成やご予算も異なりますし、住みたいエリアなど住居を選ぶ条件や状況は様々ですよね。今回は、〝中古住宅を購入し、リノベーションして住む〟というところに焦点を当てて考えていきたいと思います。

 

1.そもそもリノベーションとは?

リノベーションって何?リフォームとどう違うの?と思われる方もいらっしゃると思います。リフォームとは、簡単に言うと〝修復〟です。傷んだフローリングを新しいものに取り替えたり、壊れたトイレを新しいものに交換したり。マイナスだったものを元通りに戻すようなイメージで、基本的には老朽化した部分を新しく改装することだと思って頂ければ大丈夫です。

これに対し、リノベーションは、一言で言うと〝改装〟です。例えばこまごまとした居室がある4LDKの住まいを、広いリビングのある1LDKの住まいに作り変えたり。これから住む人の暮らしに合わせて既存の建物を作り変え、新たな価値や機能を付け加える大規模な改装工事を意味します。

 

2.リノベーションのメリット

●土地・物件の選択肢が広がる
自分の希望するエリアで、土地や新築物件、マンションなどを検討する中で、予算と合致するものを探していくのはなかなか大変なことですよね。何かしらの妥協も必要になってくるかもしれません。そんな中で、中古物件の購入・リノベーションを視野に入れることで、立地の選択肢が大きく広がります。

●同じ条件の新築物件を建てるより、低コストで済む
物件の状態や、内容によっても変わってくるため一概には言えませんが、リノベーションは、現状の基礎や躯体を活かして行うため、普通に新築するよりもコストを抑えることができます。(※ただし、物件の状態によっては改修に多くの費用を要してしまうこともあるので注意が必要です。詳しくはデメリットの項目で触れていきます。)

●ライフスタイルに合わせて、間取りや内装を変更することが出来る
元々住んでいた方とは家族構成や、必要な収納の量などが異なるケースもたくさんあると思います。そこで、リノベーションを行うことで、間取りの変更や内装をやり変えることができるので、中古物件を購入してそのまま住むことに比べて満足度は大きく上がると思います。

 

3.リノベーションのデメリット

●解体して建物の瑕疵が判明したり、想定外の補修費が発生する可能性がある
〝瑕疵〟とは、「本来備わっているはずの機能・品質・性能・状態が備わっていないこと」を指します。住宅は壁の中など、どうしても解体をしなければ目視できない部分があります。

その為、いざ工事に入ってみると、
「壁の中が結露でカビだらけだった・・・」
「排水管の水もれがあった」
「柱にヒビがあった」
といったことも起こり得ます。

そういった問題が起こると、当然何らかの対処が必要になってきますので、予期していなかった費用がかかってしまいます。

また、費用だけの問題ではなく、耐震面で重大な問題が潜んでいる可能性もあります。日本は、1981年に木造住宅の耐震基準が大幅に変更されました。それ以前に建築された建物を購入する場合は、気を付けなければいけません。

▽耐震性能の大切さに関する記事はこちらからどうぞ
耐震等級3は必要?ー構造計算(許容応力度計算)の重要性ー

また、断熱性能の面もチェックしておかなければいけません。
築年数が経っている住宅になると、断熱材が入っていなかったり、入っていてもかなり劣化していたり・・・。
実は未だに、ヒートショックに伴う家庭内事故でたくさんの方が亡くなっています。これから住む環境が、夏涼しく冬は暖かい、体に負担のない場所になるように、断熱・気密改修はとても大切です。

▽断熱・気密の大切さに関する記事はこちらからどうぞ
断熱性を高めると快適さが増すわけは?
気密性能って大切?ー住宅に気密性が必要な理由ー

購入時の物件の状態を正しく把握し、性能を担保するための改修を行うことはリノベーションを行う上でも前提として考えておく必要があるのかなと思います。その為に、建物の現状を診断・評価して、どういった改修が必要なのか把握しておくためにも、耐震診断や、建物診断などをやっておくとその後がスムーズです。

▽実際に、住宅医による診断の様子はこちらのブログからどうぞ
住宅医による現況の調査

●建物の構造により、間取りに制限がある場合も
スケルトンリノベーションといって、今まであった柱や壁などを取り壊し、自由に計画できるのがリノベーションの大きなメリットです。しかし、建物の耐震や耐久性に関わる、構造上必要な物もあるので、取り除けない場合もあります。その場合、想定していたような間取りの変更が出来ない場合もあるので、注意が必要です。

 

4.まとめ

リノベーションとは?というところから、メリット・デメリットについてご紹介してきました。いかがだったでしょうか?希望範囲に入っていなかった土地や物件が検討できるようになったり、物件によっては、一から同じ仕様の家を新築で建てるよりも、コストを抑えることもできます。

一方で、解体してから見えてくる瑕疵の部分や、今後何かしらの不具合が起こりうるというリスクもあります。購入予定の物件のデメリットや、今後起こりうるリスクをきちんと把握した上で、自分たちの計画に沿った家づくりが行えるのであれば、選択肢の一つとして持っておくといいのかなと思います。リノベーションに限らずですが、実際に施工を行う会社さんに相談しながら進める、というのも大切なことかなと思いますので、慎重に検討してみてください。

ご参考になれば幸いです。

 

 

 

 

この頃の投稿