暮らしの手帖

フルマークハウスからの新たなお知らせや、日々の暮しにまつわる情報を綴っていきます。
これからの暮らし方のヒントや、すまいづくりに役立つ情報をお届けします。

焼杉の外壁メリット・デメリット|外壁材を選ぶ

投稿日 : 2022年10月10日 (月)
カテゴリー : 暮らしの情報

近年、住宅で多く見られる外壁は、サイディングといわれるものが主流で、8割程を占めています。工場で成形したパネルを現場に運んで、金物に引っ掛ける工法や、釘で直接打ち込む工法があります。パネルとパネルの間には、コーキングと言われるゴムを施工し張り上げていく外壁です。サイディングの一番の特徴が、施工性の良さと、レリーフ(柄)の豊富さです。外壁材の多くはメンテナンスが必要で、サイディングも例外ではありません。外壁材表面の塗装自体は、剥げても多くは見た目の問題で、家の耐久性に深刻な影響を与えるものではありません。しかし、コーキングの部分は紫外線の影響を受けて痩せていってしまうと雨漏りなどにも繋がってしまうのでメンテナンスは避けられません。

なるべくメンテナンス(ランニングコスト)の掛からないものはないかと、色々と調べていくと、昔からある、焼杉というものを知ることができます。今回は焼杉の特徴についてまとめてみました。

 

1.焼杉とは?

焼杉の外壁をご存知でしょうか?古くから日本の伝統建物で用いられている外壁の一種で、杉の板を焼いたものです。

ひと言で焼杉といっても、焼き方が様々でたくさん存在します。

例えば、三角焼きという板を3枚▲に束ね、中に火を放ち、焼くというスタイル。他に、バーナーで表面を炙って焼くというスタイル。そして、薬品をかけて焼くスタイル。というものが存在します。

なぜ焼き焦がすかというと、耐久性を高くするためです。炭化部分がいわゆる塗料の代わりをしてくれて焼けていない部分の板を守ります。そして、その板が焼杉より内側にある家本体を守ってくれます。焼き方ひとつで、長持ち度合いが大きく異なります。

引用 https://xn--2qv74t.jp/concept/

バーナーや薬品で焼いた焼杉は、見た目は同じ焼杉ですが、通称ウロコと言われる焼いた後の表面が、炙った程度の仕上がりで数年で剥げ落ちます。それに比べ、▲に束ねで火で焼く三角焼きというものは、ウロコが大きく、中まで炭化するので、剥げ落ちが他に比べ少なく長い目でみても長持ちします。採用するならぜひおすすめしたい焼杉です。

 

2.焼杉のメリット

焼杉を外壁材として使うメリットは、なんと言っても耐久性が高いことだと思います。

炭が腐ったという話はなかなか聞かないように、炭化した状態であれば、木材は菌類が繁殖するために必要な養分がない状態なので、優れた耐久性を発揮します。外壁が雨風にさらされないように、軒を深く出してあげるなどの設計上の配慮はもちろん必要ですが、職人さんの経験から、30年以上ノーメンテナンスで維持できる外壁材なんだそうです。しっかり焼き込んで、炭化層の厚いモノであれば50年以上もちます。さらにはノーメンテナンスで100年もっている建物もあり、非常に耐久性に優れたコストパフォーマンスの良い建材だと言えます。

見た目もサイディングにはない、味わい深い風合い・佇まいになるという点も大きな魅力ですね。時間が経ってくると、表面の炭化層が少しずつ剥がれ、色が白っぽくなってくることがありますが、自然素材ならではの経年美化を楽しむことが出来、住みながらより愛着が湧く住まいになるのではないかと思います。

 

 

しぶくてかっこいいですね^^新築でもどこか懐かしい、時間が経っても味わい深い。そんな外観素敵ではありませんか?

価格もそんなに高くありません。普通の木材よりは加工するために人の手が加わっていますので高価ですが、部分的な取替もできるので、「台風で物が飛んできて痛んでしまった!」など、もしもの時も安心です。

また、熱伝導率が低く、断熱効果が期待できるという面もあります。

熱伝導率って何?と思われた方はこちらへどうぞ

 

 

2.焼杉のデメリット

一方、焼杉のデメリットはというと、手で触ると汚れるという問題があります。炭なので寄りかかれば服が汚れたり、そういったところは少し気をつけておかないといけないかもしれません。小さいお子さんがいる家庭などは特に気になることかと思いますが、実際採用されている方のお話を聞くと、「汚れるとわかってからは触らなくなった」という声が多いようです。実際に住まわれている方の意見を聞くと、そんなに気にしなくてもいいことかもしれませんね^^

あとは、木材なので反ったり割れたりは素材の特徴として起こり得ます。また、炭化層がいずれ剥がれてくるということもあるでしょう。基本的に危険なので、再度焼き込みを行ったりはしませんが、墨汁などの同じ墨の成分を含むもので部分的な補修を行ったり、あとは張替も可能です。木材はこれから先もずっとある外壁材です。部分的に改修がしたいと思った時に、それができなくなることはありません。気になる場合は施工してくれた住宅会社さんに相談してみると良いと思います。

一方サイディングの場合は、ぞくぞくと新たな仕様のものが出ていて、商品の改廃も多いという一面も。自分が使っていたものが、やり替えたい時にない…!ということもあるので、そういった部分もきちんと確認しておくといいですね。

 

 

3.まとめ

こうして見ると、焼杉は基本的にメンテナンスがかからず、永くもつ、耐久性・コストパフォーマンスに優れた建材だと言えます。建物の佇まいもどこか凛としてかっこよく美しい。飽きがこないというのも魅力ですね。

どの素材を使う場合もそうですが、

  • 時間が経つとどんな風に変化するか
  • どれくらいを目安にメンテナンスが必要なのか
  • どれくらいの費用がかかるのか

これらを知っておくと、後悔することは少ないと思います。外観の雰囲気に大きく関わってくるので、ぜひ納得のいくものを選んでください^^

今までご紹介した外壁材の記事はこちらからどうぞ♩

 

ほぼ日刊で、家づくりに役立つ情報をメルマガで配信中です。
メールアドレスの入力のみでご登録いただけます。解除もできますので、ぜひお気軽にご登録ください♩

ご登録はこちらからどうぞ

 

 

この頃の投稿