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杉板張り外壁のメリット・デメリット | 外壁材を選ぶ

投稿日 : 2020年08月03日 (月)
カテゴリー : 暮らしの情報

 

外壁材は外観の印象を左右するとともに、一番雨風に晒される部分でもありますから、耐久性や、メンテナンスのことも気になりますね。見た目も気に入ったもので、コスト的にも納得がいくものを採用したいところです。

色んな素材がありますが、今回は板張りの外壁のメリット・デメリットについてご紹介していきたいと思います。

 

1.板張りって?

 

板張りの外壁は、写真のようなイメージです。使う樹種や、塗装の有り無しなど、施工会社さんによっても様々です。写真の実例は、杉板にオスモカラーというドイツ製の自然素材系の塗料を塗って着色しています。植物由来の成分なので、安心安全なのはもちろんですが、木の呼吸を妨げないので、木本来の調整機能を維持でき、長持ちするというメリットもあります。2枚の写真はグレーとブラック、それぞれ違う色を塗装しています。着色の色味に加え、縦張りか横張りかでも、雰囲気がだいぶ変わりますね。どちらがお好みですか?^^

杉板を使ったお家の施工事例はこちらからどうぞ

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2.板張りのメリット

 

板張りのメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。

・風合いがいい

ウッド調のサイディングなど、色んな建材が今はありますが、工業製品には出せない本物ならではの風合いの良さがあります。また、年月が経っていくと木部の色が変化し、グレーっぽい印象になっていきますが、それはそれでまた味わい深い雰囲気です。劣化ではなく経年美化として素材の変化を住まいながら楽しむことができるのも魅力かなと思います。

・長持ちしてメンテナンスがしやすい(コスパが良い)

材料単体の耐久性で考えると、美観を損なっても大丈夫であればノーメンテナンスで大丈夫な素材も意外にあります。(タイルなどもそうですね)しかし、その素材同士を継ぎ合わせているもの(多くはコーキング材というシリコン)は、どうしても劣化してしまいます。劣化すると防水面で不安があるので、数年に1度、補修が必要に…。一方木材は、法隆寺などの歴史的建造物もそうなんですが、適切な乾燥状態を上手に保つことができればとても長持ちする建材です。また、他の建材だと劣化ととれてしまう部分も、個人差はあると思いますが、木の場合は劣化や汚れではなく味わいとして感じられるという部分もありますね。

・部分的な張替がしやすい

部分的に反ったり割れたり、また、腐ったりしてしまった場合も、その部分だけやり替えが出来ますし、杉という材料が将来的になくなってしまうこともありません。

※工業製品などでは、毎年流行に合わせて新しいデザインが出たり、それに合わせて廃番商品が出ています。自分が採用した外壁材が、数年後やり替えが必要になった際に材料として無い・・・!そんなことにもなりかねませんので、そういった部分も考えておく必要がありますね。

 

3.板張りのデメリット

 

・腐ったり、反ったり、割れたりする可能性がある

あくまで木材なので、上記のようなことが起こり得ます。長持ちするということをメリットで挙げましたが、長持ちさせるためには環境に配慮する必要があります。水分・栄養・快適な温度・酸素の4つが揃うと、腐朽菌が木材を腐らせてしまいます。温度・酸素・栄養はコントロールしずらいので、木を腐らせないためには、水分を上手に制限してあげることが大切です。建物の計画の段階で、雨風が外壁面に直接当たりにくいように軒をしっかり出してあげたり、水切れが良いように木を施工してあげたり、水の跳ね返りを避けるために板外壁を地面から離して施工する、などの対策が必要になってきます。
また、逆に乾燥によって縮んだり割れたりする可能性もあります。中の壁に防水シートを施工しているので、防水面で構造に支障があるわけではありませんが、やりかえが必要になることも。ただ、メリットの部分でお伝えしたように部分的なメンテナンス・やり替えがしやすく、逆に言うとこまめに手入れができるので高額なメンテナンス費が一度にかかるわけではないということにもなりますね。

・カビが生える可能性がある

陽当たりの悪い面などでは、通風がうまく取れず、カビが生えることがあります。カビが生えると、「木材の耐久性は大丈夫かな?」と心配になる方も多いと思います。上記にあった腐朽菌は木材を腐らせてしまうので大敵ですが、カビは見た目上気になりますが、耐久性上は問題ありません。また、年数が経って杉板がシルバーグレーに変化していくと、目立ちにくくなります。

 

4.メンテナンスはどうするの?

 

基本的には、日常的にやっていただかなければいけないお手入れはありません。ただ、できるだけ水にさらさない方が良いので、周りに植栽などを植えている場合は、水やりの際外壁面に水がかからないように注意してください。

また、杉板自体に自然素材系の塗料を塗布している場合は、色あせ防止や耐久性の維持のために数年に1度再塗装をしてあげると長持ちします。ただ、この頻度に関しては個々人で価値観も異なるため、様子を見ながらやってみてください。

 

5.まとめ

 

板張りの外壁のメリット・デメリットについてご紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?いい所もあれば、もちろんデメリットもありますよね。風合いが良く、非常にコスパの良い外壁材だとは思いますが、既製品のように規格化された材料が揃うわけではありませんし、風合いも新築時から年数を追うごとにどんどん変わっていきます。それがちょっと嫌だな、と思われる方にはもちろんおすすめできませんし、採用されない方がいいかなと思います。建物の経年美化を住まいながら楽しみたい、木の特性をおおらかに受け入れられる方にはぴったりの素材だと思います。

色々と書きましたが、百聞は一見に如かず、です!見学会などがあれば実際の施工事例などもご自身の目で見て体験されてみてくださいね^^

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