暮らしの手帖
これからの暮らし方のヒントや、すまいづくりに役立つ情報をお届けします。
断熱等級って何?どれがいいの?
断熱等級とは?
国土交通省が制定した「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」において設けられた、住宅の断熱の性能がどのくらいか?を示すもの。そして2023年現在、等級は1〜7段階あり、数字が大きいほど断熱性が高いことを示します。これまでは、等級は1〜4段階の指標でしたが、下記に記したように、2022年に等級5、6、7が追加され、現在の等級は1〜7段階に変更されています。
断熱等級の違い
本来2020年に断熱等級4が義務化される予定でしたが、延期になりました。しかし、現在のところ2025年以降、すべての新築住宅に断熱等級4以上が義務化される見込みです。
地域区分について
また、地域によって地域区分がなされており地域によって求められる性能値は異なります。ご自身の住まいの地域区分に関してはご確認ください。
※上記画像はMAG ISOVERのHPよりhttps://www.isover.co.jp/region-by-climate
そして次に、それぞれの地域に求められる性能値を比較した表です。外皮平均熱韓流率(通称 Ua値)というもので求められる数値が異なります。こちらは数字が小さい程、性能が高くなることを示しています。
断熱性能を高める目的
上記のように、断熱性能を高めるための目的がいくつかあります。ひとつずつみていきましょう。
・気候変動に対する二酸化炭素削減
世界中の国々が気候変動に対して、「2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」とパリ協定で発表されました。そして、日本も2030年までに音質効果ガスを2013年から46%削減させるという課題をクリアするためにも、策定されています。
・ヒートショック予防
断熱性能を高めることで、快適な住環境を目指すことが可能になります。その結果、家の中で温度差の少ない環境を整えることに繋がり、ヒートショックの予防に繋がります。
・健康な暮らし
寒い家で過ごすことと、暖かい家で過ごすことでは、体に与えるダメージが大きく異なります。例えば入浴前から入浴後の心拍数を測ってみると、寒い家の場合、心拍の差が40%あるのに対し、暖かい家の場合、心拍の差が20%程度に収まります。つまり、体に与えるダメージが半減するのです。冬暖かく過ごすことは、健康増進にとても大切な要素になります。
まとめ
このように、気候変動や、健康増進のためにも大切な断熱性能。しかし、これだけ性能値が並ぶとどれを選んでいいのか分かりません。そこで、近畿大学の岩前篤教授の資料によると、断熱のグレードが高くなればなるほど、気管支喘息、のどの痛み、手足の冷えなどが改善していく。というデータ分析をされています。
可能であれば、断熱等級6以上(断熱等級6か断熱等級7)を目指された方が、より効果を感じやすくなるのではないかと思っています。地球のためにも、健康の体のためにも、ぜひ暖かい家を目指してください。