暮らしの手帖

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太陽光発電のメリット・デメリット

投稿日 : 2022年07月11日 (月)
カテゴリー : 暮らしの情報

太陽光発電とは、文字どおり太陽光を使って発電するシステムです。日本政府としては、2030年を目標に、エネルギー転換としていくことを掲げており、これからの主流電力として注目しています。

太陽光発電を行うと、自家消費に加えて余った電気は電力会社へ売電し、収入を得ることもできます。しかし、太陽光発電には設備の設置が必須です。初期費用やメンテナンスコストもかかりますし、デメリットとして知っておくべき点ももちろんあります。

導入を検討する際は、メリットとデメリットをきちんと知った上で進めていきたいですね。今回は、太陽光発電とは?という基本的な部分と、メリット・デメリットについて簡単にご紹介していきます。

 

1.太陽光発電とは?

太陽光発電は、「太陽電池」を利用した発電方法です。シリコンなどの半導体が持つ「光電効果」というものを利用した方法で、何かを燃やしたりせず、直接電気エネルギーを生み出せるため、地球への害がない、とってもクリーンな発電方法です。

引用:https://taiyoko-ch.com/knowledge/review-of-solar-system.html

太陽光発電システムは、図のように屋根の上に乗っている発電システムである太陽電池の他、その他の構成機器を含む集合体として成り立っています。

それぞれの構成要素と、役割は図の通りです。

発電量は、

・太陽光パネルの設置枚数
・日射量(天候・角度・季節・気温・地域など)
・パワーコンディショナや太陽光パネルの性能(変換効率)

によって変わってきます。

変動する部分も大きく確実なものではありませんが、太陽光発電システム設置容量1kWあたり、年間おおおそ1,000kWhほど発電すると言われています。

住宅用はだいたい4kWhくらいの容量を屋根にのせるのが一般的です。一般世帯が年間に消費する電力は約4,800kWhと言われており、4kWh のせると単純計算で言えば太陽光発電で約8割がたの消費電力をまかなえる、ということになります。

 

2.太陽光発電のメリット

・光熱費を削減できる

太陽光発電の電気を自家消費すると、電気代を安くすることが可能です。太陽光発電を採用している家庭は、昼間の電気が高く、夜間が安いプランを選択します。昼間は太陽光発電で作った電力を自家消費し、夜だけ安い電力を購入するようにすると、普通に生活していたとしてもぐっと電気代が節約できます。

・余った電気を売ることができる「固定価格買取制度」

住宅用の太陽光発電は、昼間自家消費で使いきれなかった電力(余剰電力)はFIT制度というもので電力会社へ売却することができます。

※FIT制度とは・・・〝固定価格買取制度〟のことで、太陽光発電で生み出した電力を、家庭用(10kWh以下)で10年間、産業用は20年間、電力会社が固定価格で買取してくれる、というものです。この売電価格は毎年見直されており、電力会社が支払う金額は〝再エネ賦課金〟という名目で、実は私たち消費者が負担しています。

このように、売電することで副収入を得ることが出来るので、経済的なメリットが大きいとされています。売電価格を増やすために自然と節電習慣が身に付くというのもいいところですね。

・災害時の備えとなる

停電が起こったとしても、「太陽光発電雄自立運転モード」というものを使うと自家発電した電気を非常用コンセントから災害時も使用できます。発電しない夜間は使用できませんが、スマホなどの必需品の充電ができる安心感を得られる価値は大きく、東日本大震災後の電力不足をきっかけに太陽光発電を採用した人もたくさんいます。

・蓄電池と組み合わせるとさらに活用の幅が広がる

太陽光発電はつくった電気を蓄えられる蓄電池と組み合わせると、さらに購入する電気が少なく済み、ほとんどを自家消費で賄えるようになるので光熱費の大きな節約効果が見込めます。また、夜間も使えるようになるので災害時の備えとしてもより安心感が増しますね。

 

3.太陽光発電のデメリット

・売電価格の低迷によって利益が減ってしまう?

太陽光発電をこれから検討するにあたって、以前と比較して言われるようになっているのが、FIT制度による売電価格が年々低下しているという点です。

上のグラフは、余剰電力の売電価格の推移を表したものです。グラフの通り、売電単価は年々減少傾向にあります。これは、FITがそもそも太陽光発電の普及を目的に定められたことと大きく関係しており、この10年で太陽光が十分普及したこと、また、設置費用が下がったことが挙げられます。FIT制定の目的が達成されつつある、ということですね。

その為、「これからは売電単価が上がることはないし、太陽光の設置にはメリットが少ないよ」といった話を聞くこともあるかもしれません。たしかに売電で得られるお金が減っているのは事実ですが、売電価格だけで一概に損をするとは言い切れません。先程記載した通り、太陽光の設置費用自体が安くなっていますので、トータルで考えると太陽光を設置するメリットはまだまだあるのかな、と感じます。

・発電量が安定しない

太陽の光で発電するので、日没後は発電できません。雨や曇りなど、天候が悪い日は発電量がぐっと下がることもあります。また、気温が高すぎても発電効率が下がってしまい、全国的に5月が最も多く発電する傾向にあるようです。年間を通して発電してくれますが、天候や周辺環境・機器の問題など、不確定なものに左右される部分も大きいので、ロスは必ず発生します。時期によって発電量に差が出てしまうことは否めません。そのため、太陽光圧電の設置前にはしっかりシミュレーションを行うことが大切です。

シミュレーションと全く同じように稼働してくれるとは言えませんが、導入にはそれなりの費用がかかってくるので、きちんと見極めたいところですよね。その為、シミュレーション結果の精度を求める上でも、基本的な情報を踏まえた上で、以下の項目に気を付けながら、事前に複数のシミュレーションをとっておくことをおすすめします。

・パワーコンディショナーなどの機器や配線による発電ロスを考慮する
・単純な日照時間ではなく、地域ごとの日射量を用いて計算する

販売業者や設置業者に依頼するのもいいですし、NEDO日射量データベースから日射量を確認し、Oh My Solar!というサイトを使ってご自身でシミュレーションすることもできます。

・メンテナンス費用がかかる

家庭用太陽光発電の普及が進んだのはここ10年ほど。そのためパネルの寿命は、まだ正確にはわかってはいません。

もちろんある程度の目安はあって、太陽光パネル自体は20年~30年といわれています。(実際に1984年から稼働し続けている設備もあるそうです。)一方パワーコンディショナーや発電モニターは電化製品と同じように10年~15年程度が寿命なので、30年使うとすれば2回買い替える必要がでてきます。

また、20年~30年もの長期間、できるだけいいパフォーマンスで働いてもらうためには定期的なメンテナンスも必要です。日常的なメンテナンスはこれといってありませんが、業者などに依頼して定期的な点検・メンテナンスを行ったほうが安心です。

・台風や火災などで壊れることがある

台風などで飛来してくるゴミがぶつかると、ソーラーパネルが傷つくことも。また、ソーラーパネルは可燃物なので周辺に発火物がないか十分に注意する必要があります。こういったリスクは施工技術によってカバーできるものもありますので、施工品質に信頼のおける業者さんにお願いできると安心ですね。また、こういった災害に対応する保険も多数用意されていますので、太陽光発電設置の際は一緒に検討するのもおすすめです。

 

4.まとめ

 

太陽光発電のメリット・デメリットについてご紹介してきました。メリットだけではなく、デメリットももちろんあります。しかし、デメリットの多くは適切な対策ができれば大きな問題はありません。何より、自然災害の多い日本においては、非常時に電気が使えるというのは備えとしてメリットが大きいと感じます。費用面なども含めて、納得して採用できるといいですね。メリット・デメリット両方を考慮しながら、ぜひ検討してみてください。

 

 

 

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