暮らしの手帖

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高気密とは?ー住宅に気密性が必要な理由ー

投稿日 : 2019年03月28日 (木)
カテゴリー : 暮らしの情報

家づくりを検討されている方は、「高断熱・高気密」こういったフレーズをよく耳にするのではないでしょうか?

「高気密ってそもそもどういう状態?」「そこまで重要なの?」「どうすれば高気密の住宅が建てられるの?」などなど、素朴な疑問が浮かんでくるのではないでしょうか。

今回は、住宅に気密性が必要な理由についてまとめていきたいと思います。

1.そもそも「高気密」とは?

気密性とは、屋内と外部との空気の流通を妨げる性能のことをいいます。(屋外から室内に隙間風が入ってこないように家の隙間を減らすことですね。)高気密とは、この性能が高い水準にあることを指します。具体的に言うと、建材の寸法誤差をなくし、建材と建材の接合部分を気密シートや気密テープなど隙間なく施工していくことが必要です。つまり、隙間なく丁寧な施工を行うための高い施工技術が必要となります。

しかし、目では確認できない住宅の隙間をどのように確認したらいいの?と思われることでしょう。実は家の性能として把握できるよう、隙間面積を数値化したものがあります。それがC値です。気密性はC値という数値で表され、建物床面積1㎡あたりの隙間面積を表します。この数値が小さければ小さいほど、隙間面積が少ないことを意味します。例えば、床面積100㎡の家でC値が1.0であれば、建物全体の隙間面積は100㎠くらいということになります。

2.なぜ住宅に気密性が必要なの?

気密性が重要な理由は大きく説明すると4つあります。

①省エネルギーで室内の温度を快適に保つ

暖かい空気は上へ、冷たい空気は部屋の下の方に溜まるという性質があります。気密性の低い家は、冬は暖房をつけても暖かい空気が屋根の隙間から外に漏れ、漏れた分だけ床下の冷たい空気が家の中へ入ってきます。夏も同様に、暖かい外気が隙間から入ってきてしまい、エアコンをガンガンに回してもなかなか冷房が効きにくくなってしまいます。そんなお家で生活するのは快適とは言えませんし、生活費に置き換えると冷暖房に多くのお金がかかってしまうのは想像がつきますね。快適性と省エネを考えると、家の隙間はできるだけ少なくする必要があります。

②断熱性能をしっかり発揮させる

家の中には断熱材といって、室内が外気の温度変化を受けにくいように熱を伝えにくくするものが壁・屋根・床・基礎などに入っています。

断熱材についての記事はこちら

洋服で例えるならば、断熱は暖かいセーター、気密はウィンドブレーカーといったらイメージがわきやすいでしょうか。冬の寒い日には、重ね着する場合どちらを上に重ねますか?暖かいセーターの上にウィンドブレーカーを重ねますよね。お家でも同じことが言えます。断熱材で外部からの熱を伝わりにくくし、隙間のない家づくりをすることで熱の出入りをシャットアウトします。せっかく断熱材をしっかり入れても、家が隙間だらけだったら断熱材が本来の性能を発揮できません。期待通りの断熱性能を発揮させるためには、室内と外部との接点をできるだけ少なくし、熱が行き来できる余地をどれだけなくせるか、ということが大切です。

③壁体内結露を防ぐ

冬の乾燥した外の空気に比べると、家の中の暖かい空気は湿気を多く含みます。②で断熱材のお話をしましたが、家が隙間だらけだと隙間から湿気が壁の中や床下に流れ込んでしまい、断熱材の入った壁の中を空気が自由に動き回ります。結果的に壁の中が結露してしまい、壁の中がカビだらけになってしまったり、大切な構造材を腐らせてしまうという、恐ろしいことになりかねません。健康に長くその家で暮らすためにも、隙間のない家づくりをしなければいけません。

④換気効率を上げる

人が生活していると、水蒸気や二酸化炭素、匂い成分などなど…様々な汚染物質が室内で発生します。これらの汚染物質を屋外に排出するためには定期的な換気が必要です。昔の住宅は隙間だらけだったので、窓が常に空いているような状態と言っても過言ではなく、換気の大切さがあまり注目されていませんでした。ところが、最近の住宅では構造上部分的に隙間の多い部屋と、隙間の少ない部屋が混在しており、2003年以降に売り出されたマンションや戸建住宅は、24時間換気が標準となっています。(家の中の空気を2時間に1回入れ替えるのがルールです。)

図のように、気密性が高くないと、室内に新鮮な空気が入ってこられず、換気扇でうまく換気することができません。図の右側のように、換気扇近くの空気だけが循環する、ショートサーキットという現象が起きてしまいます。汚染物質が溜まってよどんだ場所を造らないためには、家の隙間はどの部屋であっても可能な限り少なくし、24時間換気扇を回す必要があるのです。

3.気密性ってどうやってはかるの?

気密測定時、塞いでいい穴は「給気口」「換気扇のダクト」「設備機器の排水溝」のみ。窓や玄関などを閉めた状態で写真のように、バズーカ砲のような機械(気密測定器)で窓1ヵ所から室内の空気を強力な送風で排出します。

一気に建物内部の空気を排出するので、建物内部は一時的に負圧の状態になります。このとき隙間が小さければ少ない通気量で圧力差が大きくなり、逆に隙間が大きいと、いくら通気量を大きくしても圧力差は大きくなりません。(隙間からどんどん空気が入ってくるので圧力差が生じにくくなるためですね。)このように専用の測定器を使うことで、送風機の風量と圧力差の関係から隙間面積を自動で算出してくれます。

このような原理を利用して測定されています。(ちなみに測定方法はJIS A 2201に規定されています。)
気密測定で測定・計算したものを、前述したとおり相当隙間面積(C値)といいます。

こちらで実際の測定の様子をブログに記載しています

4.C値ってどれくらいだったらいいの?

住宅に気密が大切だということ、気密性能はC値というもので表されていることは、なんとなくお分かりいただけたかと思います。しかし数値として実際どれくらいであれば高気密であると言えるのか知りたいところですよね。

驚くことに、現状日本にはC値基準がありません。以前は寒冷地でC値2.0、その他の地域で5.0という基準がありました。ところが、2012年に制定された、現行の改正省エネ基準の中からは削除されてしまったのです。理由としては、お役所の立場から言うと気密が図面上で確認できるものではないことに加え、断熱材を入れてしまえば机上の数値としては断熱性を確保できてしまうこと、また、計測して終わりではなく、気密性がとれるまで手直しをしていくことを考えると、大工さんにとって計測自体が手間であるという意見もあるようです。。。

きちんと計算した上で必要な断熱材を施工しても、気密性能の良し悪しによってそこが大きく変わってしまうのにも関わらず、実測値として出せるC値を手間だという理由で計測しないのはなんだか腑に落ちませんよね。(計算ではなく、実測できるの数値は、実はC値だけなのです。)

日本の一般的な住宅のC値は10.0~20.0であることが多く、C値20.0はだいたいコピー用紙B3~B4くらいの穴が家に空いている状態です。多くの専門家は、C値1.0以下が必須だと考えています。100㎡の家でC値1.0の場合、1㎡あたり1㎝、家全体で100㎠の穴が開いているということになります。

ちなみに、諸外国におけるC値の基準を一部ご紹介すると、

  • カナダ    0.9㎠/㎡
  • スウェーデン 0.6~0.7㎠/㎡
  • ドイツ    0.2~0.3㎠/㎡

一方、日本におけるC値の基準は、平成14年度まであった基準でも、もっとも寒さの厳しい北海道ですら2.0c㎡/㎡です。今では前述したとおりC値の基準すらないという状況で、海外諸国に比べると日本の気密対策は遅れていると言わざるを得ません。家を売る側がしっかりとその重要性を理解しなければいけませんし、コストや手間を理由にしている場合ではないと感じます。全ての住宅会社がそうであってほしいのですが、現状そうではありません。家を購入する側も知識を深めて、信頼できる依頼先を決める必要があります。

5.必ず聞いておきたいこと

気密性、すなわち施工性を高めることの重要性を理解しているかどうか、またそれに真剣に取り組んでいるかどうかは、質問することで知ることが出来ます。

これから家づくりを考えていらっしゃる方は、依頼しようと思っている会社に「目標としているC値はなんですか?」と、質問してみてください。もし答えられないようであれば、現場の施工精度に自信がない、または管理ができていないと思った方が良いと思います。

安心して家づくりを任せられるかどうかを、最終的に判断するのは家を建てる側です。後悔することがないよう、信頼できる会社選びをしてください。

 

 

 

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