スタッフブログ

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島原市の進行中の現場で気密測定を行いました。

投稿日 : 2019年03月11日 (月)
カテゴリー : 日々の記録

こんにちは。あたたかな春の気配に嬉しくなりつつ、花粉症になった気がしてビビりまくっています。ヨーグルトを食べて腸内環境に気遣いだした今日この頃です。

先日、島原市で進行中の現場で気密測定を行ってきました。「断熱・気密の家」そんな言葉がよく聞こえてくる昨今、数字として本当に全部の新築住宅の家を管理しているところは身近に多くはないように思います。断熱性能は使っているモノと厚みで計算で出していくのですが、この断熱性能は気密という現場の施工精度があってこそ活きてきます。肝心な気密性は各物件現場での実測値で出すものなので、毎回このような測定をせずに気密性といっても、イメージでしかなく、実際の家は施工が良くない気密が悪い家だと気づくこともありません。

(しっかりと1棟ずつ気密測定をして精度を確認・修正しながら取り組まれている住宅会社は長崎にどれくらいあるでしょうか。気密検査は、そんな快適な家づくりに本気で取り組んでいる会社かを見極めるポイントになり得ます。)

「気密測定」とは、家の中の隙間の大きさを知るための測定です。測るタイミングは会社によってそれぞれですが、フルマークハウスでは上棟後、屋根や窓が入って構造を強くするため家を覆うように柱に耐震面材を施工した後に測定をします。断熱材を施工する前のタイミングです。家の完成に近づくほど何層にも覆われていくため、気密は取りやすく数字も出るのでしょうが、高い目標をクリアしたいと思うと早めの段階でよい数字を出していくほうが施工精度はシンプルに確認でき、隙間を見つけて補修するには最適です。これだけのすっきりとした構造だけでしっかり性能が出せれば、完成時にはもっと良くなっているはず、と自信をもって引き渡しをします。

福岡から気密測定を行う外部の方に来ていただき、営業チーム、現場監督、大工さんみんなでドキドキしながらの測定です。

なぜ隙間があるといけないのか簡単にまとめると、

  • ・断熱性能を保持し、少ないエネルギーで室内を快適な温度に保つため
  • ・壁体内結露を防ぐため
  • ・換気を効率よく行うため

といった理由があります。写真のように、家の中の空気を排出するファンを設置し、家中の窓や開口部を閉じます。ファンが作動すると家の中の空気が外に吸い出され、減圧されることで家の中が負圧の状態になるので、隙間があればそこから空気が入ってきます。隙間箇所に手を当てるとスース―と冷たい空気が入ってくるのが感じられて、体感として感じ取ることができます。

最初に計測したときの数値は C値=約1.0

手を当てると風を感じられる数ミリの柱と構造の隙間も、数値に大きく影響してしまいます。下の写真は土台と柱、床合板とのかみ合わせの部分に隙間があったためシリコンで施工して気密を取っている写真です。

現場に関わる職人さんと一緒に、色んなところを注意して廻りながら隙間はないか、どういうところが欠点になりやすいのかを毎回蓄積して精度を上げていきます。

再度計測してもらうと「C値=0.76」という数値がでました。国が定める高断熱住宅の基準(次世代省エネルギー基準)として設定されている気密C値(隙間総統面積)は5.0㎠/㎡以下となっています。一般的にいわれている高気密住宅というのは C値=2.0以下とされており、フルマークハウスが目標として掲げているのが C値=1.0以下なので、この現場の測定では基準値を無事クリアすることができました。

 

せっかく建てたお家に、お客様が住まわれてから、実は寒い、知らない間に隙間周りが内部結露し腐っていく・・・そんな問題が起きたら大変です。そうならないためによく学び、断熱性能と気密性能を、設計と現場の技術者みんなが力を合わせて磨き上げていく。時間をかけて手間暇をかけていい家づくりをしないといけない、その想いを持った職人さん達と一緒に作り上げていくことが、とても心強いと感じます。

 

暖かい地域は断熱気密への関心が遅れているので、冬では寒冷地の方がはるかに快適な 性能のいい家がたくさんあり、そんな快適で性能の高い家づくりをしている会社がたくさんあります。私たちは全国の意識の高い尊敬する工務店さんと情報交換をしながら、冬の快適性(断熱気密)も学ばせてもらっています。良い家が増えてほしい、そんな熱い気持ちを持った工務店は全国繋がって、知識・経験・様々な情報を教えあって切磋琢磨しています。

「工務店=大きな営業会社でなく技術・実務者」としてあるべき姿で、学びながらしっかり地元に良い家を増やしていけたらいいなと思います。そして、断熱気密をはじめ、意識の底上げができていけばいいなあと思います。

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