暮らしの手帖

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北欧家具の魅力

投稿日 : 2019年08月02日 (金)
カテゴリー : 暮らしの情報

最近家具屋さんや雑貨屋さんを覗くと、北欧家具や北欧雑貨を目にすることが多くなりました。北欧家具や照明で有名なのがデンマークで、デンマークに根付く「ヒュッゲ」という文化に今注目が集まっています。

ヒュッゲ」とは、人と人とのふれあいから生まれる、温かな居心地のよい雰囲気」という意味の、他の国の言語では置き換えられないデンマークの個性を形成している言葉だそうです。

デンマークは国連が発表した”豊かな国ランキング”で2013年、14年、16年と1位を獲得している事でも有名です。その上、学力も常に世界上位。勤務時間の少なさは世界でもトップクラスで、週の平均労働時間は37時間と少なめですが、仕事の労働生産性は世界5位(日本は20位)と、非常に効率よく働いている国です。
消費税が25%ということも最近では有名ですが、税金の使い道がハッキリしていて、医療費・学費が無料、年金もしっかりもらえる仕組みが整っています。税金がしっかり国民に還元されているので、不満を持っている人が少なく、将来に不安もないので老後のための貯蓄をしている人はほとんどいないんだとか。(日本では考えられないですよね…!)「今」を楽しみ、暮らしを充実させるためにみなさんお金を使っているんだそうです。なんと素敵な国・・・✨

 

ライフスタイルを豊かにするためのインテリアとデザイン

日本と北欧の文化には元来似ているところがあると言われています。もともと質素な暮らし方を好む北欧には、シンプルで機能的、使いやすいものを長く使うという文化があり、木や革のように、時間の経過とともに味わいを増す素材に愛着を持つ国民性があります。日本にも「わび・さび」に代表されるような質素でシンプルな暮らしや、自然との共生に美徳を感じる文化がありますよね。

元来大切に思ってきたものに共通点はありますが、戦後の日本に起こった高度経済成長や、働き方の違いなどから、近年の暮らし方の感覚には少し違いがあるように思います。日本人はまだまだ時間に追われる生活で、仕事が生活の中心になっている人も多いと思います。インテリアよりも外食やファッションにお金をかける人の割合が多いのではないでしょうか。一方デンマークは、自分の衣服や外食にお金をかけるよりも、共同で使えるスペースを居心地よくするために、インテリアにこだわったり、サマーハウス(簡易的な別荘)を購入するなど、共生文化が根付いています。

豊かで充実したライフスタイルを楽しむ習慣がデンマークにはあって、 そしてそのライフスタイルを豊かにする為に、家具や照明、日用品などのデザインにはこだわる。居心地の良い空間づくりをすることが、優先順位として高くなっているんですね。気にしてみないと感じないことかもしれませんが、ふと居心地がいいと感じる場所ってありませんか?例えばカフェに行ってみて、仕事がはかどったり、落ち着くなぁと感じたり。インテリアは、仕事や日々の生活の充実に、大きく関わっています。「なんでもいい」「とりあえずこれでいいか」は、実はすごくもったいないことをしているかもしれません。。。

 

北欧家具って?ーなぜか落ち着くー

北欧家具のイメージというと、シンプルでデザイン的に美しいというイメージがあると思いますが、その歴史を振り返ると、当初は貴族向けの重たくて大きな家具が主流でした。その後、1940年代に生活協同組合がデンマーク国民を豊かにする目的で、「高い質・買いやすい価格・高い機能やデザインを」と掲げたことで、現在のような家具産業が発達したと言われています。

気候的にもとっても寒く、昼間の日照時間が短い為、家の中で過ごす時間が長い国土であったことも、家具産業が発達した一因とされています。北欧のデザインはどれもシンプルで洗練されたものが多いですが、見た目だけではなく使い心地もいい。それはデザインだけが独り歩きしないように、各デザイナーがメーカーと共同して、顧客のニーズを拾い上げる仕組みがあったからなんだそうです。良いデザインは飽きが来ず、永く使いたくなる。また、実際に使い心地が良いからそこでの居心地も良くなる。北欧家具の魅力は、そういうところにあると思います。

 

こちらの竣工写真にも写っている、CH24(通称、背の部分がYっぽくなっているのでYchairという名前で親しまれています)は、デンマーク生まれのデザイナーハンス・J・ウェグナー(1914-2007)の代表作です。飛びぬけて派手とか、流行を追ったものではありませんが、今も多くの人に愛されています。デザイナーであるウェグナーは、自身も家具職人の資格を持っていました。家具の構造を熟知していたこともあり、座りやすさの追求には妥協がなかったと言われています。これだけ長い間たくさんの人に愛されているのが、その良さを物語っているなぁと思います。

ブログ「Ychairの魅力

 

一時的なブームではない、その魅力

北欧家具は、高い技術と飽きのこない普遍的な優れたデザイン、そして木材や素材に上質なものを使っているものが多いので、決して値段も安くはありません。でも価値は値段以上のものがあると思います。何年経っても色あせない豊かなデザインは、使っていく中で愛着を持つことが出来ます。毎日の暮らしに潤いと活力をもたらしてくれますし、何十年も生活に寄り添ってくれるのです。(100年以上十分に活躍できるだけの優れた品質です!) 

家と同じように、一緒に歳を重ね、その価値を楽しんでいけるというのが北欧家具の一番の魅力ではないでしょうか。

ぜひ、色んな北欧家具のデザイン、使い心地、そしてその空間に触れて体感してみてください^^

 

 

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