暮らしの手帖
これからの暮らし方のヒントや、すまいづくりに役立つ情報をお届けします。
セントリコン(シロアリ対策)とは

画像引用:セントリコンホームページ
日本は白蟻の多い国です。
年間での被害額はなんと1.000億円以上と言われています。
せっかく建てた家がシロアリに食べられ、家の耐久性に大きなダメージを与えられては困ります。何年かに1度、シロアリの駆除を頼んだり、新築の家をこれから計画されるのであればみさなん少なからず関心のあることなのではないでしょうか?
主な対策としては、
①床下の点検がしやすい造りにすること。
シロアリは、明るい所や乾燥が苦手な生物です。そのため地表をそのまま歩いて移動することはありません。エサを求めて地中を移動し、たまたま住宅に辿り着いたシロアリは、暗闇の床下から建物に使われている木材を目指して地表から上がってきます。そこで、蟻道というシロアリが安全にエサとなる木材までたどり着けるよう、排泄物や食べかすで覆われた道をつくります。

引用:https://www.shut-teoria.com/column/gido-termites-road/
このように、シロアリは発生しているかどうかを目視で確認しやすいので、まずは最悪出来てしまった時の発見がしやすいような作りにすることが大切です。
②樹種の選定に気を付けること。
一般的にシロアリに有効な樹種はチーク・ヒノキ・ヒバ。反対にホワイトウッド・スプルース・エゾマツは被害を受けやすいと言われています。ただ、木材の部位によっても適不適がありますので、ヒノキを使っているから大丈夫!とか、そういったことではありませんので注意が必要です。
③シロアリの侵入経路を絶つ。
シロアリは約0.6~0.8ミリの隙間からでも侵入してくるとされています。それを防ぐためには、経路を塞がねばなりません。途方もないように思えますが、過去のシロアリ被害を遡ると、シロアリの侵入経路はいくつかパターンがあることがわかります。
・基礎の立ち上がり部分(蟻道のチェックで防げます)
・基礎の打ち継ぎ部分(継ぎ目を塞ぐ処理を行う)
・玄関ポーチ(玄関ポーチも、きちんとコンクリートを打設する)
・配管貫通部(基礎を貫通する配管廻りには、防蟻材入りのウレタンなどで塞ぐ)
これらをしっかり施工の段階で確認し、侵入経路を塞ぐことが必要です。
④薬剤の選定
新築時、シロアリが来ないように薬剤による処理を行うことがほとんどですが、一般的なものとしてはネオニコチノイド系の薬剤が挙げられます。シロアリの伝達を遮ることで退治するものです。人体には安全とされていますが、実際は使用を禁止している国も。また、薬剤の効果が5年というところがネックではあります。
その他、ホウ酸処理もあります。ホウ酸とは、腎臓のない生物が処理できないもので、哺乳類には無害な安全です。また、効果も半永久的に続くので注目度の高い薬剤です。
こういった薬剤の塗布・散布が、これまでの防蟻処理の一般的な方法だったわけですが、薬をまかずに白アリ防除を可能にするサービスも出てきています。
・・・それがセントリコンです!以下、セントリコンの特徴についてまとめてみます。
セントリコンの特徴
シロアリの習性を利用した仕組み
シロアリは蜂などと同じように、群れで巣をつくり、役割分担をして暮らしています。女王蟻は生涯に100万個以上の卵を産むとされ、働きアリと言って巣にエサを運ぶ役割のシロアリがいます。(働き蟻以外はエサを探しに行けません)有道を作ってエサを探し、餌を外部で見つけると特殊なフェロモンを出して仲間に餌場を教えます。持ち帰ったエサは同じ群れのシロアリみんなで分け合います。
セントリコンは、このエサを取りに行き、巣で仲間と分け合う習性を利用した方法です。
2種類の方法があり、今既にシロアリの被害にあっていて早急にシロアリを退治したい場合は、


写真(左)のネジみたいな形のものは、餌箱となるRTIステーションの中に、写真(右)の餌をセットして家の周りに埋め込んでいきます。


こういった感じで、これを家の周りに一定の間隔で埋め込んでいきます。

(↑緑の埋まっているものがRTIステーションです。)
人やペットなど環境にも優しく、安全性に優れている
薬剤には有効成分「ノバフルムロン」というものが含まれており、働きアリの脱皮を阻害し、やがてシロアリは死滅します。これは脱皮する生物にだけ効果を発揮するもので、人やペット、環境へは毒性が少なく、高い安全性を誇るものです。
もう一つの方法は、薬剤や仕組みとしては同じですが、シロアリの習性を利用してシロアリの活動を観察し、必要になったら薬剤を投入するという、使用を最小限に抑えて巣の根絶を行う方法です。

写真(左)セントリコンステーション
写真(中)餌木
写真(右)ベイトカップ
初めはセントリコンステーションに餌木を入れて、シロアリの活動状況の観察を行います。シロアリの活動を確認したら餌木を薬剤の入ったエサ(ベイトカップ)に交換し、再設置します。薬剤の使用を極力減らしながら、設置からおよそ数か月で確実に巣を根絶しする画期的な方法です。対象の巣が根絶されたら、中身を餌木に戻し、別の巣からの新たな侵入がないか引き続き監視します。
(ちなみに、セントリコンさんのHPにてわかりやすい動画が載っています。動画はこちらからどうぞ。)
定期的なアフターメンテナンス
先述したどちらの方法でも、セントリコン専門の施工技術者が対応してくれ、最低年1回の以上のアフターメンテナンスが必須サービスとして組み込まれている点もメリットの一つです。
シロアリ対策は、きちんとした対策を新築の時にやっておくことで、家の寿命を縮めずに済みます。また、一度対策を行ってそれっきりの問題ではなく、継続して観察が必要というところも、頭に入れておく必要があるのかなと思います。いろんな方法がありますが、何がベストなのか、コストや効果、施工方法などを含め、総合的に考えていきたいですね。