暮らしの手帖

フルマークハウスからの新たなお知らせや、日々の暮しにまつわる情報を綴っていきます。
これからの暮らし方のヒントや、すまいづくりに役立つ情報をお届けします。

無垢材について考える

投稿日 : 2019年08月19日 (月)
カテゴリー : 暮らしの情報

家づくりをしていくと、「無垢材」とか「集成材」、「合板のフローリング(シートフローリングを含む)」といった言葉を耳にすることも多いのではないでしょうか?

以下はそれぞれの違いを簡単にまとめた図です。

これらはどれも家づくりに使われる建材で、

・合板フローリング
図の通り、木材を薄くスライスしたものを、他の材料で出来た下地材に張り付けた人工の木材です。近代技術の進歩で、表面に無垢材を使用していない、シートフローリングと言って木目調のプリントを施した樹脂が貼られているものもあります。

・無垢材
山や森で育った原木(丸太)から、使用する大きさに挽き割った材料のことです。本物の木を使った板だと思ってもらえれば大丈夫です。

・集成材
小さく切り分けた木材を乾燥させて、接着剤で組み合わせた1つの樹種から成る「人工」の木材のことです。強度や品質が安定しているので扱いやすいのが特徴で、今も多くの工務店や住宅メーカーから選ばれています。

これらはどれも家づくりに使われる建材ですが、加工のされ方にそれぞれ違いがあり、価格に違いがあるのはもちろんですが、やはり使用感、風合いに大きく違いがあります。集成材や合板フローロングはコスト面で無垢材に比べると大きなメリットがありますが、その分繋ぎ合わせているため耐久性の面で劣るのは否めません。一般的にシートフローリングの寿命は約10年と言われています。

 

接着面が剥がれたり、表面の樹脂自体の痛みも出てきます。また、現在は厳しくなっていますが、つなぎ合わせるために使われている接着剤が人体に影響のないものかも気になるところです。シートフローリングのダメなところばかり挙げてしまいましたが、だからダメだと言いたいわけではありません。予算内で納得のいく住まいにするために重視するところは人それぞれだと思いますが、しっかり理解して採用するということが大切だと思います。コストが多少上がったとしても、無垢材から感じられる魅力は大きいと感じます。「やっぱり無垢っていいな」と思って頂ければと思い、今回は無垢のメリット・デメリットについて少しまとめてみました。

1.無垢のメリット

・経年変化が楽しめる
無垢材の魅力は、なんといっても美しい木目ですよね。それぞれ木目が違うので個性があり、室内をやさしい温かみのある印象に仕上げてくれます。また、無垢材は使っていく中で色味も深く変化し、つやも出て味わいが増します。

・ストレスの緩和作用がある
手触り、足触りが良く、室内が木の香りで包まれます。これは集成材・合板フローリングにはない魅力です。森林浴をすると気分がすっきりするのは、木の香りにはフィトンチッドという芳香成分が含まれており、人の自律神経を整えてくれる作用があるからなんだそうです。木は伐採されてもこの効果がなくなることはないので、木の家に住むと毎日森林浴効果が得られるというのもメリットの一つです。

・調湿性と断熱性が高い
無垢材は木の持つ性質をきちんと受け継いでいます。湿気の多い日は水分を吸収し、逆に乾燥している日は水分を放出して湿度を一定に保とうとするため、室内の湿度調整をしてくれます。また、コンクリートの約12倍断熱効果があると言われており、夏は涼しく、冬は暖かい部屋をつくることができます。冬場足元が冷えるのを軽減してくれる効果もありますよ。

 

2.無垢材のデメリット

・反ったり割れたりする
メリットで触れていましたが、無垢材には調湿作用があります。水分を吸収・放出するため、木自体が膨張と収縮を繰り返します。その結果、隙間や反りが発生してしまうこともあります。しかし、この収縮は施工前にきちんと処理をしておくことである程度対策が出来ます。無垢材は、含水率が30パーセントを下回ると変形や収縮が起こります。さらに18パーセント以下まできちんと乾燥させると、その変形がなくなり強度が高まります。建築後の不具合をなくすためには、含水率の低い無垢材を選んでおくといいですよ。

・傷がつきやすい
無垢材は、加工されている集成材に比べると傷がつきやすいです。特にスギなどの柔らかい無垢材であれば、物を落とすと凹んでしまうこともあります。また、犬や猫などの爪の跡も付きやすいため、ペットを飼っているご家庭ではご気になるところかもしれません。しかし、傷がついても修復することが出来るという点が無垢材のメリットです。水分を含むと膨らむという性質を利用して、へこみ傷を治すことができます。やり方もとっても簡単で、湿らせたタオル、もしくはアイロンのスチームを当てるだけ。これは集成材ではできないことです。無垢はうまく付き合うと本当に長くもつ素材とも言えますね。

・水に弱い
無垢材は、表面を塗装していたとしても水に弱い傾向があります。前述のように水を含むことで膨張し、反りが起こる場合も…。そのため、濡れたらこまめに拭き取ることが大切です。塗れたままにしておくと、シミになったり、菌が繁殖して腐ったりする原因となります。

 

3.無垢材とうまく付き合うには?

・乾拭きが基本
ふだんのお掃除はそんなに気を遣う必要はなく、掃除機か薬剤のついていないモップ、または乾拭きで表面のホコリを取り除くのが基本です。

・1~3ヵ月に1回くらい、水拭きしてあげる
汚れの度合いなどにもよるのですが、固く絞ったぞうきん(←ここ需要です!)で水拭きしてあげると表面の汚れが取れて、気持ちのいい足触り・手触りをキープできます。雑巾がビチャビチャだと木が水分を含んでしまい、反りの原因になってしまうので要注意です。

・定期的に汚れを落とす
半年~1年に1回くらい、(汚れが目立ってきたなあと思ったタイミングでも大丈夫です)大掃除をします。ワックスアンドクリーナーのような市販の汚れ落としを使って表面の汚れをしっかり落とします。汚れを落としてくれるだけでなく、表面の保護をしてくれますよ。塗装をしてあるものは、撥水性が落ちてきたな、塗装が痛んできたなと感じるようになったら、表面の汚れ、ホコリをしっかり落とした後に再塗装をするのがおすすめです。

・ささくれが出来ても絶対に剥かない
人の身体となんだか似ていますが、ささくれが出来ても引っ張ってむいてはいけません。(笑)万一出来てしまった場合は、ハサミやカッターを使ってできるだけ根元からカットします。気になる場合は根元部分にサンドペーパーをかけてあげると馴染みます。(サンドペーパーを当てた箇所は、再塗装が必要です)

 

4.無垢材の種類を一部ご紹介します

樹木の種類によって、木目・色と風合い・肌ざわりなどが異なります。好みや、使用する場所によって特性を踏まえて選ぶといいですね。今回は、床材によく使用される7種をご紹介します。

・オーク
家具で用いられることも多く、良く名前を聞く樹種なのではないかと思います。昔からウイスキーの樽に使われるなど、重厚感があって傷がつきにくく、耐久性に優れています。(家具などにもよく使われている素材です。)優しい木目と、経年変化によってやさしい風合いに変化していきます。

・パイン(マツ)
大きな木目が特徴的で、ナチュラルな印象を与えてくれます。柔らかくて足触りがやさしく、素足が喜ぶ素材と言われています。その分衝撃に弱く、傷がつきやすいという側面もありますが、お手入れによって修復も可能です。

 

・チーク
天然の油分を多く含み、時間の経過とともに深い飴色に変化していきます。適度な堅さもあって耐久性に優れ、水分にも強いので家具の天板として用いられることも多い材です。

 

・メープル(カエデ)
きめが細かく、クリーミーな艶感がでるので明るい雰囲気になります。きめが細かいとお伝えしましたが、木の密度が高く堅さもあるので、比較的お手入れがしやすいのもメリットの1つです。

 

・バーチ(カバ)
寒冷地に育つ樹種で、木目のばらつきやゆがみが少ないのが特徴です。(artekのstool60などの家具に用いられているのも、このバーチ材です)適度な堅さがあり、お手入れがしやすい樹種です。

 

・タモ
オーク材と似た印象ですが、オークよりも木目が力強いのが特徴です。質感はオークより柔らかく、優しい肌ざわり。身近なものでいうと、野球のバットにも使われています。塗装剤との相性が良く、着色しても美しい木目が際立つ材です。

 

・ウォールナット(クルミ)
聞き馴染みのある木材ではないでしょうか?「世界三大銘木」と言われるくらいで、深いチョコレート色のような色味と、上品な木目が特徴です。ゆがみが少ない加工性の良さと、美しい艶が特徴です。室内をモダンな雰囲気に仕立て上げてくれます。

 

これ以外にも、まだまだたくさんの樹種があります。自分のインテリアの嗜好や、質感の好みなどもあるかと思いますので、家具などを通してでもいいのでいろんな樹種に触れてみてください^^

 

 

この頃の投稿