暮らしの手帖
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子ども部屋は4.5畳で十分?後悔しないための広さの考え方と設計のコツ
かつての子ども部屋は6畳が一般的でしたが、近年の注文住宅では4.5畳(あるいは収納を除いた実質的な居住スペースがその程度)とするケースが増えています 。この背景には、リビングなどの共有スペースを快適にし、子どもが自室にこもる時間が減ったという変化があります。また、「心地よい居場所」は広さだけではなく設計力や素材感によってもたらされます 。ベッドと学習机、最低限の収納さえ確保できれば、コンパクトな部屋の方が掃除もしやすく、むしろ落ち着く空間になり得ます。広さを抑えた分、リビングの開放感を高めたり、庭とのつながりを重視したりすることで、住まい全体の満足度を高めるのが現代の賢い選択です。
1. 広さよりも重視したい「収納」と「家具レイアウト」
子ども部屋の広さを検討する際、単に「畳数」だけで判断するのは危険です。重要なのは、実際に家具を置いた後にどれだけの余白が残るかという点です。例えば、「少人数・30坪以下の家」のようなコンパクトな設計では、造作家具を活用してデッドスペースを無くす工夫をすることで、部屋をコンパクトに設計できますし、クローゼットの扉をあえて無くしてオープン収納にしたり、ロフトを設けて寝る場所を上に逃がしたりすることで、3畳程度の広さでも開放感を演出できます。また、窓の位置も重要です。「窓を活かす提案」を取り入れることで、視線が外に抜け、実際の面積以上の広さを感じることが可能になります 。
2. 将来の変化を見据えた「可変性」のある設計
子ども部屋を考える上で避けて通れないのが、子どもが巣立った後の使い道です。最近では、広い1つの空間を将来的に家具や間仕切り壁で仕切る「シンメトリー設計」が人気です 。子どもが小さいうちは大きなプレイルームとして使い、個室が必要な時期だけ分けるという考え方です。「家族の暮らしに寄り添った最適な家づくり」でも、こうしたライフステージの変化への対応は重視されています 。将来、子どもが独立した後は仕切りを取り払って趣味の部屋や広々とした寝室に戻すことなど、さまざまなことを考えることが大切になります。
3. 「こもる」場所ではなく「寝る・学ぶ」場所に特化する
子ども部屋をあえてコンパクトにする最大のメリットは、リビング学習を促し、家族のコミュニケーションを活性化させることにあります。家族が集まる場所を最も日当たりが良く心地よい空間に設計すれば、子どもは自然と共有スペースで過ごすようになります 。部屋は「寝る」「集中して勉強する」「着替える」といった機能に特化させ、過度な快適さを与えすぎないことが、引きこもり防止や家族の絆を深める一助となります。施主が陥りがちな「何でも叶える」という思考から脱却し、本当に必要な機能を見極めることが重要です 。寝るだけならベッドを置いて、3畳もあれば十分です。
4.まとめ
最終的な広さを決めるのは、数値ではなく「どのような暮らしを送りたいか」という家族の価値観です。図面上の数字だけでは分からない「天井の高さ」や「素材の質感」、「窓の配置」、「家具のレイアウト」など様々な工夫で数字以上に感じられることができます。自分たちにとっての「正解」がどの程度なのか、実際の建物で確かめてみて、プロのアドバイスを受けながら、予算と希望のバランスが取れた、後悔のない子ども部屋づくりを目指しましょう。


