暮らしの手帖

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Z空調(ぜっくうちょう)のメリット・デメリット

投稿日 : 2021年04月02日 (金)
カテゴリー : 暮らしの情報

「Z空調」ってご存知ですか?

空調を「ダイキン」、建物の断熱・気密を「ヒノキヤグループ」、換気を「協立エアテック」が監修し、共同開発した新しい全館空調の冷暖房システムです。

全館空調って何?と思われた方は、こちらでご説明していますのでよかったら目を通してみてください^^

全館空調とは?

「家の室温管理がそんなに大切なことなの?」
「ストーブやエアコンで対応するのでは不十分?」

そう思われる方もたくさんいらっしゃるかもしれません。もちろんそういった方法が絶対ダメというわけではありません。しかし、問題なのは局所的な空調管理になってしまっているということです。現在も実際に毎年多くの方が家の中で、熱中症やヒートショックを原因として亡くなっています。(ちなみに、日本人のヒートショックによる死亡者数は世界1だそうです…!)

また、熱中症やヒートショックに限らず、夜間の快適な睡眠を得るためにも、空調管理は大切なことです。今回は、新しい全館空調のシステム、Z空調のしくみについて、メーカーさんのホームページを参考にご紹介していきます。

 

1.Z空調とは?

引用:https://www.hinokiya.jp/tecnology/z/

気密性・断熱性についてはヒノキやグループの標準仕様とされている「Wバリア工法」というものが採用されています。これは、ヒノキヤオリジナルの断熱材である「アクアフォーム」と、赤外線をカットする「アルミ遮熱材」によって、住宅の気密性・断熱性・吸音性を高めることが出来るそうです。熱ロスの少ない住まいをつくることができるので、Z空調の省エネ性を最大限に発揮させることに一躍買っています。

気密性を確保することの重要性についてはこちらの記事でご紹介しています。

気密性能って大切?ー住宅に気密性が必要な理由ー

また、空調システムはダイキンの大型天井埋込型を採用し、吹き出し口を調整することで全館空調を可能にしています。

さらに、全熱交換式の換気システム「ココチE」を採用しています。フィルターによって、花粉・ほこり・虫の侵入を防いでくれるだけでなく、快適な温度・湿度に調節された新鮮でクリーンな空気を取り入れて心地よく過ごすことができます。

 

2.Z空調のメリット

・家のどこにいても1年中快適

全館空調のメリットとも言えますが、家中どこにいっても均一な温度で快適に過ごせます。また、猛暑日や、厳しい寒さの日も、季節に合わせて室温をコントロールできます。季節によって吹き出し口のルーバーが調整されて、冬場は足元から暖かい風を運び、夏場は頭上から冷たい風を届けてくれます。家中に快適な空気の流れをつくることによって、年中心地よく過ごせます。また、断熱性・気密性が担保されているので冬場は隙間風がふきこむこともなく、夏場は赤外線をカットする「アルミ遮熱材」が輻射熱を抑えてくれるので、年中室内温度を一定に保ってくれます。

これはヒートショックや熱中症をはじめとする様々な健康リスクを抑えてくれ、暮らしの快適性をもたらしてくれます。生活のQOL向上に一躍買ってくれます。

・24時間きれいな空気

24時間換気システム「ココチE」が採用されています。これは、機械によって吸気と排気を行い、計画換気が出来る「第一種換気」というものと、熱交換ユニットを通して温度と湿度を調整しながら外気を取り込む「全熱交換式」を採用した高機能な換気システムです。そのため家の中はいつでも適温で、空気はきれいな状態を保ちます。アレルギーのある方でも安心して暮らせることもメリットの一つです。

・初期費用・ランニングコストともに想像より経済的

全館空調と聞くと、コストがけっこうかかるイメージがあると思います。システムとしては魅力的でも、費用が高いとなかなか採用するには腰が重いですよね。ものによっては200~300万かかると言われていますが、Z空調は111万円~導入が可能だそうです。(※建物の大きさや間取りによっても異なります)

性能をしっかり担保しているので、必要なのは実質2台のエアコンと、熱交換換気システム「ココチE」、その他ダクト設置費用。そのため全館空調を採用する上で大きなハードルとなっていたイニシャルコストの部分が、従来に比べてよりリーズナブルになります。

また、ランニングコストについてですが、使用方法としては基本24時間稼働させ続けるので高くなってしまうのでは…?といった不安もあるかと思います。しかし、一般的な住宅で局所エアコンを間欠使用する場合よりも安く済むということが検証されています。

メーカーによると、絶空調搭載のオーナー様宅(地域区分4~6地域、約30~40坪の家)を1年間電力調査したところ、

このような結果が得られたそうです。月平均で言うと、年間通して1ヶ月4,721円ほど。

まだまだ実績期間が短いので、データは少なく、結果を保証するものではありませんが、これくらいの電気代で24時間1年中快適に住まえると思えば、魅力的に感じられますよね。

 

3.Z空調のデメリット

・エアコンが故障すると、そのフロアの空調管理ができない。

エアコンが壊れてしまうと、修理が完了するまで空調システムが止まってしまいます。夏場や真冬にそういった事態になると非常に困りますよね。修理手配をして直るまでの期間を考えると、どうやって凌ぐか事前に準備・シミュレーションしておいた方が安心かもしれません。

・部屋ごとの温度設定はできない。

全館空調のメリットである、〝どこにいっても均一な温度〟というメリットの裏返しでもあるのですが、各居室それぞれでの温度調節はできません。家族の中でも、快適と感じる温度は違いますよね。子供部屋はこの温度で、夫婦の寝室はこの温度という風にはいかないのでそういった面は予め家族で話したうえで採用するのがおすすめです。

・冬場は過乾燥ぎみに

こちらも全館空調特有のデメリットなのですが、冬場はどうしても乾燥しがちに。対策としては、衣類の室内干しや、お風呂の蓋をあけっぱなしにしたまま寝るなど、水蒸気量を維持することが大切です。

・ダクト内でカビが発生する恐れあり?

こちらもダクトを使用した全館空調に言えることなのですが、ダクト内でカビが発生することが予想されます。24時間、365日つけっぱなしで常にダクト内に空気が流れている状態を維持できていえば、だいぶ軽減されるそうなのですが、春秋など、エアコンを使用しない時期もあると思いますので、メンテナンスは欠かせません。

 

4.Z空調のメンテナンスは?

エアコン・換気両方とも日常的に使用していると、フィルターにホコリがたまってきます。ホコリがたまると目詰まりを起こし、冷暖房効率や換気効率が悪くなる原因に。そのため、定期的なフィルターのお掃除が必要です。

エアコンのフィルターは、普通の家庭用エアコンと同じような方法でのお掃除でOK。換気のフィルター清掃も、床にフィルターが設置されているので掃除機で簡単に清掃が可能というところは嬉しいですね。

また、エアコンと換気システムは住宅の引渡し日から10年間は延長保証があり、製品ごとに新品に交換するまでは何度でも修理可能だそうです。

詳しいアフターサービスについてはこちらからどうぞ

 

4.まとめ

Z空調のしくみやメリット・デメリットについて簡単にご紹介してきましたが、読んでみていかがだったでしょうか?システムとしては少しリーズナブルに導入でき、お手入れも簡単で全館空調の快適性を得られるというところは魅力的ですよね。Z空調に限らず、機器は消耗品にはなるので、交換が必要になったらまた費用が掛かかったりする部分はありますが、メリット・デメリットを踏まえた上で検討できるといいのかなと思います。ご参考になれば幸いです。

 

 

 

2022/09/22追記

3のデメリットで記載した、カビの発生についてですが、エアコンを使用しない春秋の季節でも、シロッコファンを利用しダクト内に空気を送る計画になっているようです。そのため、カビの発生もだいぶ軽減されるとのことです。

 

 

 

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