暮らしの手帖

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OMソーラーについて

投稿日 : 2019年11月03日 (日)
カテゴリー : 暮らしの情報

 

OMソーラーとは?

OMソーラーって聞いたことありますか?OMソーラーとは、太陽の熱を利用した全館空調のシステムです。パッシブハウスについてのブログ(パッシブハウスとはどんな住まい?)でも触れていましたが、自然のエネルギーを上手に取り入れ、人にも自然環境にも優しい住まいのあり方を追求した全館空調のシステムです。

暮らしの中で使うエネルギーの約半分は、実は20~40℃のそれほど高温ではないエネルギーと言われています。OMソーラーは、このエネルギーを、無限に降り注ぐ太陽熱を利用してつくろう!という取り組みです。(もちろん、高断熱・高気密のお家であるということが大前提になります。)

過去記事:高気密とは?-住宅に気密性が必要な理由ー
引用:https://omsolar.jp/about/structure.html

基本的な考え方としては、

◎快適な全館空調
居室間の温度差がなく、1日を通して一定の温度を保つ。また、「暖房は足元から、冷房は上から」というのが鉄則です。暖かい空気は上に昇り、冷たい空気は下に落ちるという性質を利用するとともに、足元が暖かければ、室温をさほど上げなくても寒く感じず、快適に過ごすことが出来ます。

◎できるだけ専用機1台で全てをまかなう
専用機1台で冷暖房、給湯、換気までをクリアできるような仕組みを採用しています。危機は屋根裏・床下への設置を主とした限られた室内空間を有効活用するような考え方です。

いくつかシリーズがあり、ラインナップによってそれぞれ特化しているところや性能が異なりますが、OMソーラーの一番スタンダードな仕組みとしては、以下の3つの働きがあります。

 

 

図のように、屋根面に集熱パネルというものを設置し、その熱を使って取り込んだ外気を暖め、ダクトを通して床下へ送り込み、床面を暖めるという仕組みです。床下では蓄熱コンクリートが熱を蓄え、持続的に室内を暖めます。また、床下に暖気を送り込む際に空気の浄化も行うので、換気の機能も兼ねています。

 

 

春から秋にかけては、屋根から排熱するとともに、集熱パネルから得た熱を使ってお湯採りが出来ます。貯湯槽にためておいたお水300ℓを約50℃くらいに沸かし、お風呂にお湯をはったり、シャワーに使って活用できます。(太陽光発電を行い発生する熱も積極的に使うOMクワトロソーラーと呼ばれる製品もあります。)

 

 

夜間には、放射冷却(高温の物体が周囲に電磁波を放射し、温度が下がる現象)を利用して、ひんやりした空気を取り込みます。地域により、放射冷却の程度は異なりますが、真夏は締め切った状態で換気が出来るというのもメリットの一つです。

 

 

実際に建てた家でうまく機能するの?

実際はどうなの?そういった部分が気がかりになってくると思います。計画していくときは、敷地を読み解きながら日当たりをチェックし、プランを3D化してシミュレーションを行います。また、専用のソフトを用いて24時間の室温の変化と風の通り、太陽光発電の収支チェックまで、快適性から資金の部分までを試算のもとに行います。

もちろんメリットがあればデメリットもあるのが当然です。太陽の熱を利用したシステムになるので、利用者の方から心地よいという実際の声がある一方で、例えば天気の悪い冬場などは、補助暖房が必要になったり、地域によっては同じような利用の仕方でうまくいくとは断言できない部分もあるかもしれません。

採用するか迷われているときは、自然のエネルギーを使っているということをふまえ、理屈を理解した上で採用することが大切になると思います。OMソーラーに限ったお話ではありませんが、実際に住むのはお客様です。お任せする会社さんには、デメリットについても詳しく説明してもらい、納得した上で決められるのが良いのかなと思います。

基本的に大切なのは断熱性・気密性を確保すること。これが確保されていなければ、何を採用しても思うような効果は得られません。床下エアコンなどもそうですが、家の性能を確保した上で考えていく全館空調の仕組みの部分なので、ご予算や使い方が自分たちに合っているか、お願いする会社さんが施工に慣れていて安心して進めていけるものなのかなども含めて検討できるといいですね。

 

 

 

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