暮らしの手帖

フルマークハウスからの新たなお知らせや、日々の暮しにまつわる情報を綴っていきます。
これからの暮らし方のヒントや、すまいづくりに役立つ情報をお届けします。

土地探しのポイント

投稿日 : 2020年05月15日 (金)
カテゴリー : 暮らしの情報

家づくりを考え始めた方々にとって、「どの会社に建築をお願いしようか?」ということと同じくらい、「どこに建てるか?」は大切な問題ですよね。

利便性や、子供さんがいらっしゃればその校区問題や、敷地はなるべく広めがいいし、日当たりが良くてできれば静かで…

などなど、色んな条件は出てきますし、挙げだせばきっとキリがありませんよね。土地はやみくもに探してもうまくいきません。家を建てるために土地を買うわけですから、トータルでバランスよく考えていく必要があります。そこで今回は、土地探しをするにあたって大切なポイントをまとめてみました。

 

1.まずは「家」+「土地」にかけられる予算を知る

まず、土地探しの前にやっておくべきことが、「資金計画」です。予算に全く限りがなければいいのかもしれませんが、多くの人は予算があって、できれば安く収めたいなぁと思われている方が多いのではないでしょうか。そのため、土地とお家づくり、それぞれに総額いくらかけられるのか?という部分を明確にしておくことが大切です。

もし、予算を決めないで土地探しをしてしまうと、希望の条件に合う土地が見つかったとしても「この土地をこの値段で購入して良いのかわからない…」と判断に迷ったり、高額な土地を買ってしまい、「お家づくりにかける予算が足りない…」なんてことにもなりかねません。そうならないためにも、全体の総予算をまずは決めましょう。総予算は、家計の収支を見直し、無理なく返せる金額に設定する必要があります。

総予算の内訳は上の通りです。

土地取得費
内訳として、「土地代」「不動産仲介手数料」「解体費用(必要であれば)」「上下水道関連工事」などが挙げられます。通常、売買契約時に1割の手付金と、土地の引き渡し時に9割の残金を払います。

建築費
・本体工事費(仮設工事・基礎工事・木工事・屋根工事等)
・付帯工事費(屋外給排水・雨水工事等)
・その他費用(カーテン・エアコン・照明器具・外構エクステリア・地盤改良費等)

選ぶ住宅会社、建てる家の内容によって変わってきます。

諸費用
住宅や土地などの不動産を購入した際に発生する手数料のことです。
登録免許税や手続きをしてくれた司法書士への謝礼、印紙税などが該当します。また、住宅ローンを組む際は事務手数料やローン保証料もかかりますね。

諸費用に関しては、金融機関などで調べればおおよその費用がわかります。一方で建築費については、実際に自分が建てたいと思っている住宅会社に聞いてみないといけません。きちんとした見積もり金額は、実際に計画がスタートしないと出ないでしょうから、だいたいどれくらい見ておけばいいのかという部分だけでも聞いておくといいですね。

そうすると、総予算は決まっているので、自分たちの理想とする家づくりにかかる建築費用が大きくなればなるほど、土地取得にかける費用は抑えなくてはいけません。逆に、土地取得費用が大きくなってしまうと、家づくり自体にお金がかけられなくなってしまいます。

つまり、土地代と建築費のバランスを頭に入れて土地探しをすることが大切です。

当たり前のように思われますが、意外とこのプロセスを経ずに土地を決める方が多いのも実情です。結果的に満足のいく家づくりができれば何も問題ありませんが、建物にあまり予算がかけられず後悔した…ということにもなりかねません。そうならないためにも大切なことですので、まずはしっかりと資金計画を行いましょう。

 

2.土地代以外にかかる費用について知る

前述した「土地取得費用」について、土地の価格以外にかかる費用があることを知っておくと、土地が探しやすくなりますね。ケースによって多少異なりますが、以下のような費用が想定されます。

不動産仲介手数料
不動産会社の仲介で土地を購入すると必ずかかってくる費用です。仲介手数料の上限は法律で決められていて、「土地価格 × 3% + 6万円 + 消費税」となります。不動産会社自身が「売主」となっている場合は、仲介手数料がかからないケースもあります。その土地情報が「仲介」なのか「売主」なのかは必ず明記してあるので、チェックしましょう。

解体費用
売り物件の土地に古屋などが建っている場合には「解体費用」がかかります。中には解体費用を売主が負担する「更地渡し」というケースもありますので、古屋が建っている場合は事前に売主側と相談するといいですね。

上下水道関連工事
敷地内に水道が引き込まれていない場合には、水道引き込み工事費用がかかります。下水についても同様です。この工事は、敷地内だけの工事ではなく、前面道路の工事も行うことになるので、場合によっては工事費用も数十万~100万円を超える費用がかかることも…。予想外にお金がかかってしまった!とならないように、事前に必ずチェックをしてください。特に、その土地が「駐車場」や「空地」であった場合など、長期間使われていなかったであろう時は要注意です。
また、水道管の太さは現在20㎜が一般的ですが、13㎜など少し細めのものが引き込まれている場合もあります。そういった場合は、現在の用途に水圧が合わず、菅の取替作業などが発生することもあるので、こちらも事前に確認しておく必要があります。

擁壁工事
擁壁が古い場合や、道路との段差が大きい場合、新たに擁壁工事が必要となることも。この費用も100万単位で必要になってくる場合がありますので、注意が必要です。

地盤改良費
地盤の状態が軟弱な場合、家を建てても問題がないように地盤改良を行う必要があります。改良工事は、内容や敷地の広さや改良の内容によって費用感は変わってきますが、かかれば100万単位での出費になることが考えられます。できれば改良の必要ない土地を選ぶことが理想なので、心配な場合は事前に地盤調査を行っておくのもおすすめです。

こういった項目を全てチェックしておくことは、はじめての土地探しでながなか難しいですよね。本来であれば、不動産会社がその土地でかかってくる金額を細かく教えてくれるのが理想ですが、不動産会社の人も良く分かっていない…というケースも多々あります。
解決策として、信頼できる住宅会社を見つけられたら、土地のことから相談していくという方法があります。家を建てるにあたって土地の整備にかかってくる費用の算出を日頃行っている人に直接聞けるので、気に入った土地が見つかったら早めに住宅会社に相談してみるのがおすすめです。

 

3.土地の法規的制限を知る

土地を見るときに、法規的な制限があるのはご存知でしょうか?建てたい土地に、理想のお家が建てられなかった…!とならないためにも、土地探しの際に知っておくべき情報をおおまかにご説明します。

建蔽率(けんぺいりつ)
その敷地に建てられる家の「建築面積」の割合の上限のことを指します。簡単に言うと、建物の1階の基礎の面積に近いです。例えば、「土地の広さが40坪で建蔽率が50%」という条件であれば、建築面積が20坪まで可能という意味です。

容積率(ようせきりつ)
その敷地に対する建物の「延床面積」の割合を指します。「延床面積」とは、1階、2階の床面積を全て合計した面積です。「吹抜け」や「小屋裏」「バルコニー」は基本的に算入されません。(※ケースによっては入る場合もあり。)例えば、「40坪 容積率150%」という土地であれば、延床面積が60坪のお家まで建てられますよ、ということになります。

↓  建蔽率と、容積率を図で示したものがこちらです^^

斜線制限(しゃせんせいげん)
斜線制限には、前面道路に関係してくる「道路斜線」や、土地の北側からかかる「北側斜線」があります。「道路斜線」とは、道路の日照や採光、通風に支障をきたさないように、また周辺に圧迫感を与えないように建築物の高さを規制したルールのことです。「北側斜線」は、北側の隣人の日当たりを考慮して、南からの日照の確保のために建築物の高さをっ規制したルールのことです。住居の良好な日当たり環境を守るためのルールなので、第1種・第2種低層住居専用地域と、第1種・第2種中高層住居専用地域に適用されます。

防火地域、準防火地域
建物が密集する都市部などの地域において、万が一、火災が起きてしまったときにできる限り延焼しないようにという目的で〝都市計画法〟によって定められているのが、この「防火地域」と「準防火地域」です。防火地域かそうでないかで、使える建材が変わってきます。例えば窓はで言うと、防火窓にする必要があり、サイズやデザインに制限が出たり、金額も普通の窓に比べると高くなったり、窓以外にも思わぬ費用や制限がかかってくることになります。自分の購入予定地がどうなのかは、「調べたい市町村名 防火地域」で検索すると、各市町村が後悔している都市計画図で知ることが出来ます。必ず事前に調べておくことにしましょう。

 

4.希望の条件を整理する

土地探しをする上で迷走しないためには、自分たちの条件をしっかり整理して絞ることが大切です。希望条件には、下記のようにいくつかあります。

1.希望するエリア

「市区町村」「通勤距離」「最寄りの駅」「最寄り駅からの距離」「子供の学校の学区」「買い物や病院などの利便性」「住宅地 or 商業地」など

2.希望する土地の大きさ

「希望する建物の大きさ(2階建て?平屋?何坪くらい?)「駐車場の有無(何台?)」「庭の有無」

3.希望する土地の形状や環境

「道路付け」「間口と奥行き」「成形地 or 変形地」「住宅密集地 or 閑静な住宅街」など

①については、勤務先やお子さんの学校へのアクセス、馴染みのある土地であるかどうかも関係してきますよね。あんまりエリアを絞りすぎても難しいですが、大まかすぎても土地探し迷子になってしまいます。(笑)エリアが絞れると、おおよそ自分たちの希望する土地の価格の相場が見えてくると思います。ここで自分たちの予算と、そのエリアの土地の相場があまりにもかけ離れている場合は、エリアの見直しが必要になることもありますね。

②については、土地取得費と併せて、実際自分たちの思っているような家が建てられるかというバランスを見ていく必要があります。

③については、多少難ありな部分も、プラン次第で解決できるところもあるかもしれません。

こういった条件の中から、「譲れる条件」と、「譲れない条件」の優先順位を整理してみましょう。全ての希望条件に見合う「100点満点」の物件を見つけることはなかなか難しいです。いつまでにという期限がない方は、「希望の条件の土地がでてくるまで待つ」という選択肢もあるかもしれませんが、多くは早めに計画したいと思っていらっしゃる方がほとんどですよね。大切なのは、「譲れないポイント」はおさえておきつつ、全体で「70点」くらいの土地だったらまぁいいか、という気持ちを持つことです。

まったく同じ土地に出会うことは2度とありません。「あの時買っておけばよかった…!」そんな後悔をした経験のある人も少なくありません。良いと思える土地と巡り合った時に、決断できるように、希望条件や優先順位をご夫婦の間で整理しておくと、判断がしやすいですよね^^

 

5.土地の欠点は、建物の設計で解決できることも…!

パッと見条件の悪く見える土地でも、建物の設計で解決できることがあります。例えば、一般的に「南道路」は人気で「北道路」は不人気。これは陽当たりの良さを想定してのことですよね。しかし、大切なのは家の中で暮らす上できちんと陽当たりが確保できるかどうか?ということです。建物の配置や、ゾーニングを考慮し、必要に応じて「吹抜け」や「高窓」を上手に使うことで北道路でも明るくて日当たりの良いお家づくりをすることは十分に可能なんです。前面道路から家の中が見えにくいという考え方もできますね^^

他にも、「間口が狭くて奥行きが長い」土地や「敷地延長の旗竿状の土地」も敬遠されがちですが、こういった敷地でも設計の工夫次第で快適な住まいを計画することは十分に可能です。

一般的に人気がない土地ということは、金額が割安ということでもあります。こういった割安な土地を購入して、その土地に合わせた設計が行えれば、建物の質を上げることにお金が使えますね^^

「南道路」「東南の角地」「真四角の整形地」などは、やっぱり条件的に人気があり、割高になりがちです…。しかしそういった土地でなくても、設計次第で問題が解決できる土地もたくさんなります。知っておくと自分たちの中で、「譲れる条件」が広がり、選択肢も広がって土地探しがしやすくなるのではないでしょうか。

 

6.信頼できる住宅会社(土地探しのパートナー)を見つける

ここまでで、書いてきた内容からお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、土地探しの最大のポイントは「信頼できる住宅会社を見つけ、そこに土地探しのパートナーになってもらい、相談しながら土地を探す」ということです。

家づくりのために土地を探しているわけですから、家と土地、費用のバランスが大切です。そういったバランスや、造成など事前にかかる経費についても把握しやすいというメリットがあります。また、一見難ありな土地も「ここだったらこんな計画ができますね」といった具体的なイメージと一緒に検討でき、建築側からのアドバイスを聞くことができます。

「よい家づくり」は、「よい土地」だけでは実現しません。土地の上に満足できる家が建ってはじめて、「良い家づくり」を実感することができるのではないでしょうか。繰り返しになりますが、「土地」と「家」両方をセットで考えていくことが大切です。自分たちの理想とするお家づくりをしている会社が見つかったら、まず「土地を探している段階ですが、相談に乗っていただけますか?」という問い合わせをしてみてください。そして、気になることやわからないことは都度相談しながら土地探しを進めていけば、きっと良い土地を決断できると思います。

ただ、あくまでも住宅会社は不動産会社ではないということを頭に入れておく必要があります。土地探しは不動産会社やインターネットを使いながら、自分で積極的に行うことが大切です。そこで、いくつか気になる土地が見つかったら、住宅会社に相談しましょう。家を建てるという目線での、土地選びのアドバイスをくれるはずです。

納得のいく土地探しの参考になれば幸いです^^

フルマークハウスでも、土地のご相談承っております。
ご不明な点や、実際にこういった土地で迷っているなどありましたら、お気軽にお問い合わせください。

お問合せはこちらからどうぞ

 

 

その他土地に関してはこちらから

・接道義務とは?

 

 

 

この頃の投稿