暮らしの手帖
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カーペットを使う際のメリット・デメリット

こちらの写真は、床材としてカーペットを採用しています。
フロアとはまた違った雰囲気が良いですよね ♩ クッション性があるのでお子さんがいらっしゃるご家庭にはもちろん、足腰にやさしいのでみんなに嬉しい床材です。
しかし、実際のところ「なんか不衛生なイメージがある…」「ダニとかホコリも気になるなぁ」という感想を持たれる方も多いのではないでしょうか?
今回は、床材として使うカーペットの種類や、メリット・デメリットについてまとめてみたいと思います。
1.カーペットとは?

引用:https://hdc.co.jp/woolflooring/#Products
ラグと混同されがちですが、ラグは一般的に3畳未満の敷物のことを言い、カーペットは部屋全体に敷く敷物のことで、日本語で言う「絨毯」のことを言います。一面に敷き詰められたカーペットは、ほこりの舞い上がりを防いでくれたり、防音効果を高めてくれるのに加えて、空間の演出にも一躍買ってくれますよ ♩
使われている素材も色々あります。大きく分けると天然繊維系のものと化学繊維系のものがあり、以下がカーペットに良く使われる素材です。

素材によって、それぞれメリット・デメリットがあるので簡単にご紹介していきます。
2.カーペットの素材









このように、いろんな種類があります。また、素材と併せて、毛足のカットの仕方でも雰囲気や特徴が異なります。
3.カーペットのパイルの種類

引用:https://hdc.co.jp/with-carpet-always/
●カットパイル
カットパイルは、布地に縫いつけたパイルの毛足を同じ長さでカットし、切りそろえたタイプです。やわらかい肌触りになるのが特徴です。一方で、へたりやすかったり、耐久性の面では少し劣ります。そのため、重たいものを置かない場所や、人の出入りが少ない場所に適しています。
●ループパイル
ループパイルは、丸い輪になったパイルを縫いつけた耐久性の高さが魅力のパイルです。へたりずらいので、人がよく集まる場所にも最適です ♩ ご家族が多い方にもおすすめです。
●カット&ループパイル
カットパイルとループパイルの両方のいいとこどりをしたタイプです。デザイン的にもインテリア性が高いのが特徴です。
パイルの長さやカットの仕方によって、耐久性や見た目、肌ざわり足触りも違います。使いたい空間は、どんな使われ方をするか?というところを考えて選ぶと、永く使えますよ。
4.カーペットの形と施工方法
お部屋一面にカーペットを敷き詰める場合、ロールタイプとタイルタイプの2種類があります。
●ロールカーペット
1枚の大きなカーペットをロール状に巻いたもの。継ぎ目をほとんど作らず施工が出来るので、仕上りがきれいなところが特徴です ♩
ロールカーペットの施工方法は、フェルトグリッパー工法というものになります。
グリッパーという専用の金具があるのですが、お花で使う剣山のようなものを、部屋の四隅につけて、


ロール状のカーペットを広げて裏側をグリッパーに引っ掛けて施工していきます。施工完了すると、こんなイメージです。

引用:https://hdc.co.jp/feltgripper/
カーペットが波打つこともありませんし、張替えするときも比較的簡単にできるので、メンテナンスを考えてもおすすめです。
その他、直張り工法といって直接ボンドなどの接着剤をつかって床に張り付ける方法もあります。張替えの手間は少しかかりますが、金具などを使用しないので安全性が高く、施工も簡単なのでDIY感覚で一般の人でもやりやすいという面もあります。
●タイルカーペット
タイルのように正方形の形にカットされて売られているタイプです。


施工方法は、敷き詰めていってお部屋の隅の方はサイズをカットして調節していくだけ。部分的な張替もできるので、リビングダイニングなどの食べこぼしがありそうな場所にもおすすめです。

こちらの施工物件もタイルカーペットですが、写真で見るとタイルになっている感じはほとんどないですよね。
5.カーペットのメリット
●ハウスダストの舞い上がりを抑制してくれる
カーペットにしたらダニとかホコリが気になる…そういう方も多いのではないでしょうか?私もその一人だったのですが、実は違うんです。意外に思われるかもしれませんが、フローリングの約10分の1程度にホコリの舞い上がりを抑えてくれるんです。これは、カーペットのパイルの効果によるもので、毎日の掃除機掛けをしておけば快適な室内環境を保ってくれます。小さなお子さんがいるご家庭にもおすすめです^^
●足腰にやさしい
年配の方が室内で転倒して怪我をされるという家庭内事故もよく耳にしますが、カーペットは弾力があり、衝撃を吸収してくれます。また、滑りにくく、足腰にやさしいのはもちろんですが、転倒した際の衝撃を和らげてくれるので、寝室などに採用するのもおすすめです。
●防音性がある
防音性があるので音が響きにくいという特徴があります。特に小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では足音などを気にせず過ごせるのでおすすめです。
6.カーペットのデメリット

●家具の跡が残りやすい
素材にもよりますが、フローリングに比べると家具の跡がどうしてもつきやすくなってしまいます。(ウールなど、弾力性の強いモノは軽くドライヤーを当ててあげると復活するものもあります)
●素材によっては夏場足元が暑く感じる
ナイロンやポリ系のものは、夏場足元がフローリングに比べると暑く感じることも。通気性や調湿性に優れたものを採用すると、夏場も足元がべたつかず、さらっと快適に過ごして頂けます。素材によって長所短所がありますので、価格の部分と含めて良く検討すると後悔が少ないかなと思います。
●掃除やメンテナンスの手間
ホコリの舞い上がりを抑制してくれ、室内環境を向上させてくれるメリットがあるとお伝えしましたが、毎日の掃除機掛けを怠るとカーペット自体にホコリをため込んでしまうので、そういった意味ではこまめなお掃除が必要になります。普段からご家庭によって掃除機をかける頻度は違うと思いますので、人によっては手間に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
7.メンテナンスはどうしたらいいの?

基本的なお手入れは、毎日の掃除機掛けだけで十分です。醤油やソースなどをこぼしてしまった場合は、すぐに拭き取って、うすめた中性洗剤を含ませたふきんなどでトントンとたたくようにしてあげると染み抜きが出来ます。カーペット自体のべたつきが気になってきたら、スチームクリーナーや熱いおしぼりを使ってのメンテナンスもおすすめです。(※素材によっては熱に弱いものもありますのでご確認ください)
8.まとめ
カーペットはなんだか不潔そう、お手入れが大変そうというイメージをもっていらっしゃる方もいると思いますが、実はそういう面ばかりではなく、正しいメンテナンス方法を知れば、心地よい床での生活を楽しめる良い床材です^^もちろん、毎日掃除機をかけるのが負担だという方にはおすすめできませんが、室内空間を気持ちよく保ってくれ、子供からお年寄りまで体にやさしい素材です。
カーペットが汚れやすいという側面があるように、フローリングは傷がつきやすかったり、滑りやすいというデメリットがあります。それぞれに長所と短所がありますので、居室だけ採用してみるなど、用途によって使い分けたり、床材の選択肢として検討してみるといいのかなと思います。
ご参考になれば幸いです^^
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