暮らしの手帖

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自然素材クロスについて|内装材を選ぶ

投稿日 : 2019年12月24日 (火)
カテゴリー : 暮らしの情報

内装材にも漆喰、珪藻土系の塗り壁系や、クロスも安価なビニールクロスや自然素材系のクロスまでたくさんの種類があります。お部屋で張り分けを検討されている方もいらっしゃるかと思いますが、室内の壁部分を覆う素材なので何を使うかでかかるコストにも影響を及ぼします。また、コスト面だけでなく、室内の空気感、雰囲気も変わってくるのでぜひ納得のいくものを選びたいですよね。

そこで今回は、ビニールクロスの特徴も踏まえながら、自然素材系クロスのメリット・デメリットについてまとめていきたいと思います。

 

1.ビニールクロスの特徴

自然素材クロスの比較の為、簡単にビニールクロスについてもふれてみます。今まで一般的に採用されてきた壁紙は、塩化ビニール + 可塑剤や安定剤(成型しやすくするための溶剤)から成る、ビニールクロスと言われるもので、高度経済成長期に登場しました。それまで日本では、漆喰や聚楽壁、珪藻土などの左官屋さんが塗仕上げする湿式工法というのが主流でした。しかし、プロの左官屋さんしか作業できず、工期が長くかかるなど施工性の問題がありました。そこで、施工性・コストパフォーマンスに優れたビニールクロスが登場・広く普及したのです。

ビニールクロスの良い所は、

・豊富なデザイン
・防汚、防水、消臭、耐久、耐薬品、防湿、通気…などなど、様々な機能を備えたものがある
・お手入れが楽(汚れても水拭きできるものが多い)
・価格の安さ
・施工性◎

などが挙げられ、安くて機能的、好みに合わせて色んな種類から選べるという点で、多く採用されてきました。

一方でデメリットもあり、

・通気性、調湿性に劣る
・原料である塩化ビニールという化学物質から揮発性の有害物質が発生
・接着剤や材料に含まれる成分がシックハウス症候群を引き起こす可能性がある
・長持ちしない(黄ばみや剥がれにより、10~15年くらいで張替を検討するケースが多 劣化時の見た目が悪い。)
・独特の臭いと、アレルギーへの懸念
・自治体によっては産廃処理が必要

などなど、体への影響や、地球環境への負担、また耐久性と劣化時の見た目の悪さなどがデメリットとして挙げられます。特にホルムアルデヒドなどの揮発性有害物質(総称してVOCと呼ばれます)の発生による「シックハウス症候群」が2000年頃社会問題化しました。対策として、環境省ではVOC削減のガイドラインが制定され、使用できる内装材や建材に制限が設けられました。こういった流れから、2002年以降はできるだけ環境にやさしいビニールクロスの製造、性能の改良が進み、現在でも内装材として多く採用されています。

 

2.自然素材クロスの特徴

自然素材クロスとは、文字通り主に自然素材を原料とし、珪藻土壁紙、紙壁紙、布壁紙、卵の殻を使ったもの…などの種類があります。色んな種類があり、それぞれで微妙に特徴が異なりますが、ビニールクロスとの比較でどの自然素材クロスにも言えることが、

メリット
・体に良く、環境にもやさしい
・独特の嫌な臭いがしない → 室内環境の向上
・調湿性がある
・消臭効果のあるものも多い
・自然素材ならではの風合いが楽しめる
・焼却時もダイオキシンなどの有毒ガスを発生させない

デメリット
・ビニールクロスに比べるとコストUP
・水廻りには向かないものが多い(耐水性に乏しい為、水拭き不可なものも多い)
・薄い素材が多い為破れやすい
・ビニールクロスよりも伸縮しやすい為、クロスの継ぎ目部分が徐々に目立ってくる
・施工がビニールクロスよりも難しい。

簡単にまとめると、以上のようなことが挙げられます。見た目でいうと、やはり風合いの違いは大きいように思います。また、自然素材による空気の清浄機能、消臭、調湿効果による室内環境の向上も、実際室内に入ってみるとよくわかります。その為、体感されたお客様が魅力的に感じる部分ではないかなと思います。アレルギー体質の方にもおすすめしたい内装材です。一方で、デメリットとして自然素材の為素材自体が呼吸し、伸び縮みするので、継ぎ目部分が目立ちやすいという短所があります。採用する際は、そういうものだという素材に対する理解が必要ですね。

 

3.自然素材クロスの種類ごとの特徴

各自然素材クロスの特徴について、簡単にまとめてみました。

●珪藻土クロス

珪藻土クロスは、天然素材である珪藻土を内装材として利用しやすいクロス(壁紙)に仕立てた製品です。珪藻土単体では、水で練っても粘着性はありません。そこで珪藻土の粉末とバインダー(糊)を混ぜ、クロスのベースとなる基材に塗ったものが珪藻土クロスです。日本の主なメーカーからも、珪藻土クロスがいくつか出ていますが、メーカーによってこの粉末とバインダーの比重が違うようで、調湿性や、消臭性には差があるようなので、選ぶ際には注意が必要です。

☟メリット
●マットな質感がきれい、塗り壁に近い質感が得られる
●消臭効果がある
●調湿効果がある(※珪藻土の塗壁には劣る)

☟デメリット
●性質上ジョイント部分が気になりやすい
●調湿性があるとはいえ限界があり、カビが生えることも。
●汚れが付きやすく、水拭きできない(消しゴムで対応)

●紙クロス

欧米でよく使用される紙クロスは、木材などから抽出したパルプを原料にして作った洋紙を使用してて、表面に華やかなプリントや、立体感のあるエンボス加工を施してあるもの。その他和紙を使用して独特の風合いを残しつつ、吸放出性の高いものなど、バリエーションも豊富です。

☟メリット
●調湿性がある
●ケナフや亜麻など、非木材紙の原料となる植物は成長が早く、二酸化炭素を吸収してくれるというメリットがある。

☟デメリット
●水、油に弱い
●ジョイント部が目立つ
●擦れに弱い

●布クロス
カジュアル感を演出しやすい木綿や麻、高級感があるシルク、または様々な織り方に対応できるポリエステルやレーヨンなどがあります。織り方には色々な種類がありますが、編み上げた布の裏に髪を裏打ちした壁紙を布クロスと言います。

☟メリット
●織り方によって風合いの変化を楽しめる
●通気性、吸放湿性が高く、結露しにくい
●丈夫で破れにくい

☟デメリット
●防火認定を受けているものが少ない為、地域によっては内装制限を受けて採用できないことがある
●繊維の収縮があるので施工が難しい
●布の特性上、汚れが落ちにくい

●エッグウォール(卵の殻を使った壁紙)

卵の殻は卵殻と言って、成分の94%が炭酸カルシウムで出来ています。卵1個には、約7,000~17,000もの気孔があります。この穴を通して生活臭などの臭いを吸収したり、余分な湿気を吸収してくれる、調湿効果があります。
また、原料自体はマヨネーズをつくる際などに出る卵の殻を使っているので、排出されていたもののリユースとなり、資源の循環にも一躍買っています。

☟メリット
●高い安全性
●吸放湿性が高い
●消臭効果
●卵アレルギーでも問題ない

☟デメリット
●汚れが付きやすい(※消しゴムである程度は落ちます)
●硬くて施工性が悪い
●時間が経つと、クロスの継ぎ目部分が目立ってくる

 

4.まとめ

簡単にですが、それぞれの特徴を挙げてみましたが、なんとなく自然素材クロスのメリット・デメリットがつかめましたでしょうか?総じて言えるのは、自然素材のクロスは収縮によるジョイント部の継ぎ目が目立ってくるのは否めないということ。しかし、体感してみると室内環境の向上はしっかり実感できます。デメリットを踏まえた上で、塗壁を採用するほど予算が取れない、でも風合いや性能は良いモノを使いたい!という方にはおすすめです。

リビングなどみんなで過ごす所を塗壁にして、他の居室をクロスでまとめる、などの方法もあります。ご予算と相談しながら、サンプルも実際に確認し、ぜひ納得のいくものを選んでみてください^^

 

 

 

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