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神戸 竹中大工道具館へ行ってきました

投稿日 : 2018年10月19日 (金)
カテゴリー : 日々の記録

先週、勉強会へ参加するために大阪へ行ってきました。勉強会だけではせっかくの遠出ももったいないので、いろんな建物を見て学びに足を運ぶようにしています。

今回は、竹中工務店の竹中大工道具館/緒方洪庵が開き福沢諭吉らが学んだ蘭学塾の遺構である適塾の見学/グランフロントにあるダイキンとパナソニックのショールーム/建築の勉強仲間である工務店さんの建物見学へお邪魔してきました。長くなるので、今回blogには竹中大工道具館の紹介と感想を載せていきます。(どこもすごく面白くてお伝えしたいことは沢山で)

建物は、石垣と木の香りが素敵な低く抑えられた棟門?をくぐり抜け、石のアプローチと手入れされたお庭の先に見ることができます。見えてくるのは平屋で、しっかり軒を伸ばしてある杉の軒天や低めに大きくかけられた瓦屋根、ガラスの展示室、入口ドアも味のある木の造作で、庭と建物と小雨もあいまって趣のある空間となっています。

日本で唯一の大工道具をテーマとした博物館の竹中大工道具館。同館は大工道具の保存・展示に加えて、職人の技と心の記録、木の文化の理解促進・伝統のものづくりなど、幅広い活動がここで行われているそうです。企画展示では南の島の家づくりがあり、進んで行くと下のフロアへ通され、そこでは子供教室のための研修が行われていました。

竹中大工道具館 HPリンク

常設展示には、大工道具館という名前のとおり、中は大工の歴史から道具の発展、世界の大工仕事や道具、和の伝統美と歴史に名を刻む鍛冶たちの名工、木の種類の展示というなかなか見れないものがずらっと展示されていました。文化の発展とそこに関わった人たちの熱い想いが、道具や技術的展示物から伝わります。

特に、昔の手仕事での部材の接合部の継手・仕口の高度さといったらとんでもなくすごかったです。木の知恵の輪かというくらい入り組んだ噛み合わせを手作業で掘り込み作り合わせていくのですが、木の凹凸(オスメスといいます)がぴたっと綺麗にあわさる高い精度で職人さんは作り上げていたといいます。昔のお寺やお城などの大きな建築の一部構造や継手や装飾が例として展示されていますが、「ほおーー」と技術も労力にも美しさにも驚きと圧倒、尊敬が混ざるもので、現代でも見られる昔の建築物は本当に偉大だと改めて考えさせられました。

研修か何かでいらしていた団体さんが、大工さんの集団のようで、見るからに長年経験をつんでいらっしゃる大工さんたちが仲間どうしで意見しながら楽しそうに見学していらして、熱い想いで長年大工をされてきたように感じられ、素敵だなと思いました。難解な仕口を組んだりばらす体験コーナーでは、なかなか動かない複雑な仕口解読を教えてもらいました。

木の種類の展示はとても勉強になり、カンナで薄く削った木の質や香りは本当に様々で、大きな丸太で、木肌と中の木目と香りをそれぞれ8種類比較できます。昔勉強した材木の取り方、木目のことなど忘れ去っていたので復習してきました。

さりげなく、中庭と空が見える吹き抜けの階段下スペースにロッキングチェアが置いてありました。こんなちょっとした贅沢な空間で、まどろんだり本を読んだり珈琲を飲む時間を過ごしたいものですね。そんな設計を心掛けたいですねと一緒に行った吉田と話をしました。

右の写真は茶室そのものがスケルトンで展示されていたものです。土壁の厚さは1寸4分(42㎜)しかないそうです。私は本物の規格に足を踏み入れたのは初めてで、狭いのにいい距離感といいますか考えられ大切に作られたのだろうなと感じました。細部を見られて体感できてよかったです。

離れの休憩室も庭が作りこまれていて、すごく素敵でした。軒は2100くらいです。先客の方も建築の方らしく、寸法を取ってはメモし、写真を撮っていらっしゃいました。私たちも、造作引違い窓を細かく見ては、うまくできているところを学ばせてもらったり、仕上げや納まりの発見があったりと勉強になりました。

住まいを作り上げる、という大昔からの歴史のあることについてじっくり見て感じ、本物と手仕事の良さや偉大さを改めて感じた良い経験となりました。いろいろと吸収して、心地いい良い住まいに還元できるよう頑張ろうと思います^^

 

 

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