暮らしの手帖

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いい家の基準とはどんなものか?

投稿日 : 2018年12月09日 (日)
カテゴリー : 暮らしの情報

いい家とは?と聞いてみなさんどのような家を思い浮かべますか?

地震に耐える強い家、南向きの日当たり良好な家、使いやすい間取りの家、省エネ性能に優れた家、水回りの動線がコンパクトな家、バリアフリーな家、収納スペースが多い家、カビや結露のない家、などなど

または、駅や商業施設に近い、病院、役所が近いなど立地を優先される方もいらっしゃると思います。

どれもいい家に違いはありませんが、どれも正解といえるものではありません。それは当然のことで、どこを優先して決めるかということで、個人の価値によっても変わってくることだってあります。基準っていうものがほとんどないというよりも、ほとんどの方にとって、家は一生に一度の買い物ですから、経験や予備知識がない素人さんなのです。

野菜や肉や魚はスーパーへ通ううちに見分ける知識が自然とついていきます。自動車を購入するときは、スペックを比較したり、試乗したりして比較検討していきます。

しかし家となると、豪華な住宅展示場やパンフレットで夢を見て、売り手の話だけを聞いて、建材の品質を確かめもせず、価格が適正かどうかも確認することもなく契約を交わすことがしばしば見受けられます。そして大事な住み心地は、住んでみるまで分からないのです。

売り手と買い手の間に、商品について大きな情報格差があるのです。このことに気づかないまま、高いお金を払ってそんな家を買わされている人がたくさんいるのです。

日本には「いい家」がほとんどないのです。国土交通省が発表している「平成27年度 住宅経済関連データ」の中に、壊された住宅の平均築年数の比較が載っています。イギリス80.6年。アメリカ66.6年。これに対して日本の住宅は、33.1年なのです。

家の寿命が32年というなら、一世代しか保たないばかりか、住宅ローンの返済期間の35年にも届かないのです。支払いが終わらないうちに建て替えのタイミングがやってきてしまうのです。

国の政策が住宅の寿命を短くしてしまったのです。日本の住宅には、なぜ30年の寿命しかないでしょうか。材料が木だからと言われれば、それは違います。奈良や京都に残る千年を超える木造建築には、何世代にもわたる使用に耐えています。

寿命が短い大きな理由は、高度経済成長との関係なのです。昭和40年代、都会に人が集まり、通勤圏が郊外へ拡大するのにともなって、たくさんの住宅が必要になりました。団地が大都市近郊のあちこちに造成され、集合住宅や分譲住宅が整備されました。個々の家の質よりも、大量供給が優先されたのです。金融機関の住宅ローンが整備されたのもこの頃です。

これで都会に出てきた人たちの持ち家志向は、一気に高まっていったのです。家が建てば、家電や家具も売れ、住宅産業全体はうるおい、住宅市場の動きが経済全体の指標になっていることで明らかなように、住宅需要の喚起が経済拡大につながります。そのため家の寿命は短い方が、当時の国の政策としても都合がよかったのです。

そして、これから家を長持ちさせていくための「いい家」の基準を「はじめての家づくり講座」でもお伝えしております。ぜひこちらもご参加ください。端的に述べると、地震につよく、断熱性能をよくし、気密をしっかりする。そして、長持ちする材料選びをしていくということです。

 

 

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