暮らしの手帖
これからの暮らし方のヒントや、すまいづくりに役立つ情報をお届けします。
なぜ家をつくるのでしょう?
みなさんはなぜ家を建てるのですか?
変な質問だなと思われそうですが、ぱっと思いついた答えはなんだったでしょうか。
結婚し、家庭をもったら家を建てる。
知らず知らずのうちに、想像できる人生の大きなイベントに組み込まれているのかもしれません。
世界にはたくさんの建物が建っています。工場、事務所、駅、商業ビル・・・新しい技術や需要が生まれる度に新しい用途の建物が出来てきたのが建築の歴史です。今、地球上には何千種類という建物が存在しますが、ひとつ言えるのはどれだけ種類が増えても依然として住宅が1番多いということです。
建物が用途に合わせて出来てきたと言いましたが、住宅とはなんでしょうか。
人間が住むための建物ですが、なぜ住むために住宅が必要なのかと言われたとき、答えに困ってしまいました。駅は電車に乗るための建物ですし、事務所は仕事をする場所としての建物、といったように目的と建物が結びついて説明が付きますが、住宅は単純な目的・行為からは説明が難しいです。
寝る、ご飯を食べる、お風呂に入る、だんらんの時間を過ごす、テレビを見る、お客さんを招く、・・・たくさんありますが、寝るなら旅館やホテルでいいし、食事はレストラン、お風呂は銭湯でいいわけです。その流れで家でなければできないことは何ですかといわれると・・・何でしょう?
「家というのは、家族が家族だけでデレデレするための建物だという原点を思い出して、我が家にとってお互いのふれあいを確認し合う家とはどんな家だろう、というところから出発してほしい。」
建築家 宮脇檀さんの言葉です。家族でデレデレするため、という言い方がおもしろくて、少しクスっとしてしまいましたが、非常に考えさせられます。
家を建てるということが目的になってしまっているということはないでしょうか?外観をかっこよく!広々としたリビングや大きなキッチンが欲しい。色んな要望が出てきますし、その夢を膨らませるのが楽しい部分でもあります。
しかし、家族が家族として一緒に過ごしやすい家は何か、というところを今一度考えてみてください。
フルマークハウスも、家族それぞれに居心地の良い居場所があり、家族の気配を感じられる家とはどんな家かをこれからも考えていきたいと思います。